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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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02/17/16:38  4

「待って」

 ユイがケイを引き留めた。
ケイはゆっくりと振り替える。

「ん?どうした?」

 ケイは優しくユイに問いかける。
しかし、やはり目の奥は冷たくて、背筋がゾクゾクとする。

「あ、の……もう、ケイの歌は聞けないのかな?」

 ユイはためらいがちにそう聞いた。
ケイは黙ってしまった。

「私っ……ケイの歌が聞きたいの」

 ユイは泣きそうな顔でケイを見つめる。
ケイも、そんなユイを見つめる。

「だから、お願い。歌手として、戻ってきて」

 ユイの目には涙が浮かんでいる。
それだけ、本気なのだろう。

「……もし」

 黙っていたケイが、言葉を発した。

「もし、俺の歌でまた誰かを傷つけてしまったら、どうする?」

 ケイの目には悲しみが浮かんでいる。

「それでもっ……ケイの歌は誰かを救うから」

「俺の歌で救われる人が一人もいなかったら?」

 ケイはうつむいた。

「少なくとも、私は救われた!」

 ユイはたまらず大きな声で叫んだ。
ケイはそれに驚き、ユイの方を見た。

「ケイの歌で誰かを傷つけたかもしれない。だけど、ケイの歌で救われた人もいるの」

 真っ直ぐに見つめるユイを見て、ケイは強く心を打たれた。

「音楽を……恐れないで」

 ユイはそう言うと、ケイに背を向けて、その場を去っていった。
ケイはしばらく、その場に佇んでいた。


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