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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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04/01/18:47  


 外は風が強く吹いている。そんなある日の午後。
とある高校生は春休みの課題に追われ、机に向かっていた。

(周りの時間が止まって、私だけ自由に動けたら、時間を気にしなくてもいいのに)

 そう思うのもそのはず。
春休みが終わるまで一週間もないというのに、彼女はほとんど課題をやってないのだ。
「はあ……」
 彼女は大きくため息をつく。そして、ふと窓の外を見ると、かわいい顔をした紫色の小動物が自らの羽で空を飛んでいた。
「何あれ」
 彼女は始めてみる動物に、興味津津だ。
 彼女の目の先の小動物は、怪しく微笑むと、一瞬にして消えた。
「えっ」
 彼女は驚いて目をこすった。しかし、やはりそこには先ほどまでいたかわいらしい動物はいない。

(目の錯覚か……)

 彼女はそう思い直して、再び机に目を戻した。
「うわあ!」
 彼女は大きな声で叫んだ。その目の前には先ほどの小動物。
「ど、どうやって入ったの……?」
 彼女は不思議な動物を見て、少し後ずさりした。
『そんなにおびえないでよ』
 彼女は目を見開いた。なぜならば、目の前の動物が日本語を話したからだ。
それも、かわいらしい声で。
『僕はアクマ。君に永遠の自由を届けに来たんだ』
 アクマと名乗る紫色の小動物は、満面の笑みでそう言った。
彼女はまだ理解できていないようで、瞬きを繰り返している。
『ふふっ。まだよく分かっていないみたいだね。説明してあげるよ』
 アクマはそう言うと、机の上からベッドの上へと飛び移った。
『まずはじめに、君はさっき、時間を止められたらって思ったよね?』
 彼女は小さくうなずく。
『だから、僕は君に永遠の自由を与えに来たの。まあ、自由っていうか時間を止める能力だけど』
 彼女は笑顔のアクマを見つめる。
「時間を止める……能力?」
 彼女は確かめるようにつぶやいた。
『そう。時間を止める能力。時間を止めて、自分だけ自由に動けるの。この能力が欲しかったんでしょ?』
 アクマはかわいく首をかしげる。彼女は大きくうなずいた。
『じゃあ、あげるよ、この能力。だけど、1つだけ注意点』
 アクマは一瞬にして笑顔を消した。

―ゴクッ……―

 彼女は唾を呑んだ。緊張した空気が流れる。
『自分の時間は止められないからね?』
 アクマは先ほどの緊張は嘘だったかのように、満面の笑みを見せた。
彼女はほっとしたように、息を吐いた。
『それでも、欲しい?』
 アクマは怪しく微笑んだ。彼女は迷うことなく、うなずく。
それだけ、現実から逃げたかったのかも、しれない。
 アクマは嬉しそうな笑顔を見せると、彼女に右手を出すよう言った。
彼女は言われた通り、アクマに右手を差し出す。
アクマは右手の小指に指輪を入れた。
『契約成立。時間を止めたり動かしたりしたいときは、指輪に息を吹きかけて。指輪が緑色に光っているときは時間が動いていて、赤色に光っているときは時間が止まっているよ』
 彼女はアクマの説明を聞きながら、指輪を見つめている。
『それと、絶対にその指輪を外さないでね』
 アクマは冷めた声でそう言った。彼女はその声に驚き、アクマの方を見た。
アクマはとても恐ろしい顔をしていたが、彼女がこちらを見たことに気付くと、一瞬にして笑顔になった。
『じゃあ、僕はもう行くよ。どうぞ、幸せな時をお過ごしください』
 アクマは怪しく笑うと、一瞬でその場から消えた。
残された彼女は、静かに緑色に光る指輪を見つめていた。


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