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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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09/29/14:04  調査開始前


 その日は、智の言ったとおり、家に帰らされた。
皆は少し不思議そうにしていたが、あまり気にしていないようで、喜んで帰っていった。
そして今、教室に残っているのは、智と和也と推理。
智たちと推理たちは、今日、放課後残って計画を立てることを約束していたのだ。
智は、屋上に居なかった和也がなぜ残っているのか不思議そうな顔をしている。
「……なぁ。なんで、和也がいるの?お前、帰んないの?」
 智は思い切って気になっていることを聞いた。
「うん。ってか、智も帰んないの?」
「まぁ……」
(返し方が上手いな……。何者だ?)
「あ、智達はまだ和也の情報は知らないのか」
 推理が、思い出したように言った。
「和也の情報?」
「うん。和也はね、こうみえて、あたしたちの仲間なの」
「……はぁ?!」
 智は驚きのあまり、立ち上がった。
「っぷ……その顔、ウケる」
 和也が智の顔は大爆笑をしている。それだけ、智は驚きのあまり間抜けな顔をしていたのだ。
「え、え?!あの和也が探偵?!嘘だろ?!」
 智はまだ信じられないようだ。
「人は見た目によらないんだよ」
 和也はいたずらっ子のような笑みを浮かべた。
 智が驚くのもそのはず。
和也はいつもクラスのムードメーカー的なキャラクターで、とてもじゃないが、頭がよさそうに見えない。
「まぁ、そういうこと。んで、智は怪盗なの?」
「って、そのことも知ってんの?!」
「あたしが教えたんだよ」
 智の単純な質問に、推理は苦笑いしながら答えた。
「あ、そっか」
 智は納得したような顔をした。
「智、本当に怪盗?」
 和也がバカにしたように笑った。
「あったりめーだろ!?」
 三人がそんな会話をしている時、誰かが教室に入ってきた。

―ガラガラガラ―

 入ってきたのは、翔也と英輔だった。
「おっ?もう全員集合してんのか」
 英輔はそうつぶやいたが、翔也は
「って……え?なんで和がいるの?」
 と智と同じような反応をしたので
「翔くんまでもそんなこと言うの?」
 と和也はあきれ顔。
「え?まさか、和、探偵の一人?」
「そうだけど」
 和也はドヤ顔をした。
「そのドヤ顔むかつく」
 翔は笑いながら言うと、真剣な表情をした。
「っていうか、え、本当なの?」
「そうだよ。ってか、翔也、勘が鋭いね。智、あたしが言うまで気づかなかったんだよ」
 推理は笑いながら言った。
「だって、あの和也だぜ?頭よさそうに見えないし……」
「しつれいな!これでも、俺、上位に居るんだぜ?」
 和也は再びドヤ顔をした。和也がしても、嫌味にならないのは、和也のまとっている雰囲気もあるのだろう。
「はいはい、その話はいいから、さっそく、誘拐事件について話そうよ」
 二人が言いあいを始めそうになったので、推理が話をなんとかまとめ、本当の話題について話すように仕向けた。
「そうだな。まずは、調査計画から?」
 智が話を切り出した。
「そうだね。とりあえず、あたしたちは警察からの情報をもらうじゃん。そのあとの結果報告はどうする?」
「んじゃあ、金曜日の放課後、この教室に集合して、結果報告」
「OK。怪盗さんたちは何を調べるの?」
「俺たちはとりあえず、一樹たちの家族に話を聞いてみるつもり」
 調査計画は、智と推理でどんどん決めて行ってしまった。
二人ともリーダーだからか、誰も反論もせずにスムーズに決まった。
「了解。んじゃ、そういうことで、もう帰ります?……誰か盗み聞きしているみたいだし」
 突然、推理が話を切り上げた。
 翔也と英輔と和也は頭に?マークが浮かんでいたが、空気を読んだのか、何も声に発しなかった。
「そうだな。翔也、帰るぞ」
「……おう」
 まだ不思議そうな顔をしている翔也は、智に連れられて、教室を出て行った。
「……そろそろ出てきたら?田村君」
 推理がそう問いかけると、誰かが廊下から出てきた。
「やっぱり、ばれてた?」
「……!?」
 そう、盗み聞きしているのは誘拐された妹の兄、田村一樹だった。
英輔と和也は唖然としていた。
「なんで盗み聞きなんか?川口君にあとでいろいろ聞けばよかったじゃない」
「……」
 推理が問いかけても一樹はだまったままだ。
「なになに~?もしかして、人生相談?」
 和也が笑いながら一樹に話しかける。
こういうとき、役に立つのが和也の人懐っこいところだ。
その人懐っこい和也が聞いたからなのか、一樹が真面目な顔をして、しゃべりだした。
「……和也、お前ら、探偵なんだって?」
「……はぃ?!」
 一樹のとんでもない質問に、3人はこけそうになった。
「あの……悪いけど、俺、探偵じゃないよ?俺、探偵に見える?」
 和也は笑いながらそう言った。
「じゃあ、何の話をしていたの?」
「実はね、あたし、探偵部に協力する事になっちゃって、その会議をしていたの」
 推理は詰まることなく、すらすらと答えた。
「……そっか。中山も違うよな?」
 一樹は安心したように笑った。
「もちろん。入れるなら、入りたいくらいだよ」
 推理は優しく微笑んだ。
「英輔は?」
 確認するように、一樹が推理に尋ねた。
「俺も推理と一緒。入れるなら入りたいよ」
「……だよな。んじゃあ、誰があの有名な高校生探偵か知ってる?」
「知るわけないよ。ってか、なんでそんなこと聞くの?もしかして、田村君も探偵になりたいの!?」
 推理は驚くふりをした。その演技は完璧だ。
「……違うよ。ちょっと、いろいろあって」
 一樹は少しうつむいた。
「もしかして、依頼したいの?」
 推理は優しい声で聞いた。
「……え、え?!ま、まぁ、そんなもんかな」
 一樹が急にあせりだしたので、推理は少しあやしく思った。
「ま、知らないんじゃいいや。ありがとな」
 そういうと一樹は慌てて教室を出て行った。
「……ふぅ」
 一樹が出ていくと、三人はため息をついた。
「……ってかさ、なんで盗み聞きしてるって分かったの?」
 和也が不思議そうに尋ねた。英輔も不思議に思っていたのか、うなずいている。
「廊下の、下の方の窓から足が見えていたの」
 推理は興味がなさそうに答えた。
「なるほどな。んで、靴に名前が書いてあったと」
 英輔はそう言うと、大きく伸びをした。
「そういうこと。でも、なんかあやしいね」
「俺、調べとくわ」
 調べるのが得意な英輔が言った。
「よろしく」
「んじゃ、俺も、あいつの人間関係について聞き込み調査する」
 和也は聞き込み調査が上手なので、いつも聞き込み調査担当だ。
「そういうことで、あたしも適当に動いとく」
「OK」
 二人同時にうなずいた。
「それじゃ、そろそろあたしたちも帰る?」
「そうだな」
 そういうと三人は速やかに教室を出て行った。

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