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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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12/23/12:14  調査開始 怪盗side

一方、智たちの調査はというと……?


 智はとある家に来ていた。

―ピ―ンポーン―

 智がインターフォンを押すと、しばらくして女性の声がした。
『はい、どちらさまでしょうか』
「あの、俺です。智です」
『智くん!?どうしたの?今は学校中じゃないの?』
 女の人はとても驚いたのだろう。声を聞いただけでその様子が分かる。
「実は、休んじゃいました。どうしても、おばさんたちに話を聞いておきたくて」
 智は小さく笑いながら言った。
女性は仕方がないというように小さく笑った。
『まったく、智くんはいつもそうね。まぁいいわ。どうぞ、入って』
「はい。ありがとうございます」
 智はそう言うと、家の中に入って行った。
ここで、疑問を持つ人もいると思うが、智は今どこの家にいるのか。
実は、智は一樹の家に来ている。
学校ではないのかって?
智は学校をさぼっているのである。
それはよくあることで、一樹の母親、すなわち先ほどの女性もそれを知っていた。
また、智は一樹と幼馴染なので、一樹の両親とも仲が良い。
だから、学校をさぼって話に行くことも許されるのだ。

―ガチャ―

「おじゃまします」
「いらっしゃい。どうぞ、ソファーに座って。それで、今日はどうしたのかしら?」
 智を迎えてくれたのは、先ほどの声の女性、すなわち一樹の母親だった。
一樹の母親は美人だ。
しかし、どこか疲れてやつれているように見える。
 智はソファーに座り、本題に入った。
「あの、美智子ちゃん(誘拐された一樹の妹)、誘拐されたそうですね」
 智は真剣な顔をして、まっすぐ一樹の母親を見た。
「……一樹から聞いたのね」
「はい。それで、今日はおばさんたちに誘拐された時の事情を聞かせてもらいたくて」
「……ありがとうね。でも、これはあなたたち子供に解決できることじゃないのよ」
 一樹の母親は優しく微笑んだ。
「そんなの、わかんないじゃないですか。俺ら子供にしか出来ないこともあるんですよ?」
 智は一向に態度を変えようとしない。
「でも、智くんまで危険な目に合わせるわけにはいかないわ。兼五郎さんたちと、智くんを絶対に守るって約束したんだから」
 一樹の母親は少し困ったような顔をした。
「大丈夫です。父さんたちが守ってくれますよ」
 智は少し笑った。
「それでも、智くんはまだ子供。ダメと言ったらダメよ。絶対に、この事件に関わらないと約束して」
 一樹の母親は強く言った。しかし、智も引かない。
「子供って言ったって、俺はもう高校生ですよ?話を聞いてから、関わらないかどうか決めます。危険だと思ったら、手を引きますから、話だけ聞かせてください」
 智も負けじと強く言った。
「分かったわ。話だけするから、絶対にこの事件に関わらないと約束して」
 智の引きの悪さに負けたのか、先に折れたのは一樹の母親だった。
「分かりました。お話だけしていただければ、この事件には関わりません」
 智の返事を確認すると、一樹の母親は小さな声で語り始めた。
「……あれは、一週間くらい前の事だったわ……」


―一週間前―

その日、一樹の母親はいつもより早く仕事を切り上げ、家に帰っていた。

―ガチャ―

「ただいま」
 いつものようにドアを開け定番の挨拶をしたが、その日はいつものように挨拶が返ることはなかった。
「……あれ?美智子?まだ帰ってないのかしら」
 母親は、美智子がいない事に気付いた。
(遊びに行っているのかしらね)
 しかし、美智子は一樹が帰ってきたころになっても、まだ帰ってこなかった。
「……遅いわね。どうしたのかしら」
「どっかに遊びに行ってるんじゃねぇの?あいつも、もう小1なんだから、遊びにくらい行くだろ」
「それでも、遅すぎるわよ。もう、19時よ?いつも16時30分までには帰ってくるように言っているのに」

―ガチャ―

「ただいま」
 ちょうどその時、一樹の父親が帰ってきた。
「……おかえりなさい」
「おかえり」
 父親は、美智子がいない事に気付いていないようだった。
「今日は先に飯にする」
「……はい」
 母親はまだ心配そうにしていたが、父親のご飯を用意し始めた。
そのとき、一樹はすでに部屋に戻ってしまっていた。
そして、父親がご飯を食べ終わったころ、母親は美智子がいない事を話し始めた。
「……あなた、美智子がね、まだ帰っていないみたいなの」
「……は?何を言っているんだ。美智子がまだ帰っていない?もう20時だぞ?」
 父親は顔をしかめた。
「だから、心配しているんじゃない。どこに行ったのかしら」
 母親は心配そうに小さくため息をついた。
「お前に心当たりはないのか?」
「ありません。あなたは?」
「俺もあるわけないだろう。……しかし、心配だな。警察に届け出るか?」
「……そうですね。あまりにも遅すぎるので、警察に電話しましょう」
 と、母親が警察に電話をかけようとしたときに、電話が鳴った。
「はい、田村です」
『オマエノムスメハアズカッタ。カエシテホシケレバ、ニシュウカンゴニ「リオンノナミダ」ヲ、Kコウエンニモッテコイ。クワシクハマタデンワスル』
「……え?」
 電話からしたのはボイスチェンジャーを通したような声だった。
そして、用件だけ伝えると、すぐに電話は切れてしまった。
その電話を聞いた時、母親は呆然としていたのだった。


「……そんなことが……」
 智は、何か考えているようだ。
「そうなの。でもね、このことは警察が何とかしてくれるから、大丈夫よ。お願いだから、智くんは何もしないでね」
 一樹の母親は念を押すように言った。
「分かってますよ。大丈夫、おばさんに心配をかけるようなことはしません」
 智は一樹の母親を安心させるために、微笑んだ。
「なら、安心だわ」
 一樹の母親はそれを聞いて、安心したようだ。
「んじゃ、俺、そろそろ失礼しますね」
 智はそう言うと、席を立った。
「えぇ。また遊びに来てね」
「はい」
 一樹の母親は立ち上がり、玄関に向かった。
「お邪魔しました」
「今度、一樹がいるときにいらっしゃい」
「はい」

―ガチャ―

 智は一樹の家から出て、自分の家に向かい始めた。
(……なるほどね……)
 智は何か考えているようだった。 


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