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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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02/06/17:56  本当の目的

一樹が殺された夜、推理は智に電話をかけた。

―プルルルルルル……プルルルルルルル……―

(出てくれるかな…?)
『……もしもし』
「あ、川口くん?今大丈夫?」
『あぁ。眠いけど、大丈夫』
 そう返事をする智は本当に眠そうだ。
「ならよかった。あのね、今日、警察に田村くんのこと、言ったの」
『……そう。それで、警察は何だって?』 
 智は少し、悲しそうな口調になった。
まだ、少し引きずっているようだ。
「近日中に調査に行くって。あの、アジト的なところに」
『そっか……。早く動いてくれるといいな』
「うん……」
 しばらくの間、沈黙が訪れた。
『……それで、一樹のおばあさんの事件はどうなったの?』
 智はさりげなく聞いた。
「そっちの事件もおそらく、『非金持ち組織』が関わっていると思うんだ。だから、今、そっちの調査を英輔たちに頼んでる」
『そっか。ま、これで一段落か』
 智が安心したようにそう言った。
「……まだ事件は終わってないよ」
 推理は冷めたように言い放った。
『え?でも、もう終わるだろ?『非金持ち組織』を警察が調べれば、事件は解決するだろ』
 智は、拍子ぬけたような声を出した。
「いいや、まだ解決には程遠いの。『非金持ち組織』はなぜ、田村くんの家を狙ったのか。そこの答えが見つからないの」
『それも、警察が調べれば出てくるだろ』
「どうかな。あの組織にはまだ裏がありそうなんだよな……」
 推理は考え込むように、黙ってしまった。
『……ま、とにかく、俺たちのできることはやったんだし、調査は終了だな。あとはあいつらに報告して……』
「田村くんのおばあさんって、なんで殺されたの?」
 智の話を遮るように、推理が尋ねた。
『え?えっと……それが、分からないんだ。あの夫婦は仲良かったから、おじいさんの動機も見つからないし』
 突然の推理の質問に、智は戸惑った。
「そっか。おばあさんは、誰かに恨みを持たれていなかった?」
『んん……ないと思う。あのおばあさんは人がいいことで評判だったから』
「それじゃあ、なんで殺されたんだろう。」
 また推理は考え込むように黙ってしまった。
『……あ。そういえば、一人だけおばあさんをすごく恨んでいた人がいた』
 智が思い出したように言った。
「誰?!」
 推理の勢いに智は驚いているようだ。
『そんなに勢いよく言わなくても。まあ、いいや。それで、それは前一樹から聞いた話なんだけど、一樹のおじいさんは昔、男からモテたらしいんだ。大抵の人は、おじいさんが結婚したら諦めたらしいんだけど、中には本気の人がいたらしくてその人はおばあさんをすごく恨んでいたらしい。しかも、おばあさんに別れろって詰め寄ったこともあったらしいよ』
「……え?そんな人がいたの?」
 推理は恨んでいる人があまりにも意外だったので、驚いてひっくり返りそうになった。
『そうらしい』
 智はいたって真面目に答えた。
「それじゃあ、その人がおばあさんを殺した犯人っぽいね」
『まさか。あ、でも、おじいさんを狂愛していたらしいから、殺すこともありえるかも……!』
「それじゃあ、おばあさんを殺した動機はそれだね。あと……おじいさんはもしかしたらその人に捕まっているかもしれない」
 推理は言いにくそうに言った。
『え?!』
 推理の衝撃発言に智は驚きを隠せないようだ。
「あのね、言い忘れていたけど、あの依頼、おじいさんからのモノで、おじいさんに会ったこと、あるんだよね」
『はぁ?!マジで?!んで、おじいさんは今どこにいるの?!』
 智はまたまた驚いている。
「ちょっと、落ち着いて!……あのね、誘拐事件が起きた時から、おじいさんとは連絡がつかなくなっているの」
『……ってことは……』
「多分『非金持ち組織』に捕まっている。連絡がつかなくなる前に、おじいさん、言っていたの。そろそろ捕まるかもしれないって」
『そんな……。あ、でも、じゃあなんで『リオンの涙』を要求してるんだよ?まさか、おじいさんがおばあさんを生き返らせるために?』
「多分、『非金持ち組織』の中に、大切な人を亡くした人がいるんだよ。それか、おじいさんが川口くんたちとあたしたちで協力するように仕組むようにするために、わざと盗むように言ったのか……」
『なるほどね……。確かに、あのおじいさんは頭がいいらしいから、そのくらいしそうだな』
 智は何か考えているようだ。
「……本当の目的は、おじいさんだったんだ。っていうか、それなら、警察が入っていっても、おじいさんと一緒に主犯は逃げる可能性があるじゃん!」
『なら、警察に言っておかなくちゃな。俺に、いい考えがあるんだ。……』
 智が慎重に、話し始めた。
推理は、智の話を静かに聞いているのであった。


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