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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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01/31/18:33  名怪盗と名探偵


 一方、智たちはある人物の尾行を行っていた。
誰を尾行しているのかというと、一樹を殺した犯人だ。
「……一樹……」
 智は尾行している相手を睨みながら小さくつぶやいた。
「……」
 推理は何も言わず黙っている。
しかし、その顔はどこか悲しそうだった。
ちなみに、二人は犯人から20mほど離れて尾行している。
二人ともさすが怪盗のリーダー・探偵のリーダーである。
犯人は尾行に気づいていないようだ。

 ここで、智たちがどのようにして犯人を尾行したのかを説明しよう。
犯人は殺し屋のようで、遠い距離から隠れてナイフを投げ、一樹を一撃で仕留めた。
そして、誰にも見つからないように逃げたのだった。
しかし、誰にも見つからないように逃げたはずが、智と推理にはばれていた。
二人とも一樹が殺されることを想定し、待ち伏せしていたのだ。
そして今こうして尾行をしている。
なぜ殺されることを分かっていたのかは、後にわかるだろう。

 少し経つと、犯人はある建物の中へと入って行った。
「……ここがアジトか」
 二人は遠くからその建物を眺めた。
「意外と大きいね」
 推理がつぶやくように言った。
「……ああ。絶対にゆるさねぇ……」
 智は建物を睨みながら言った。
「……ま、アジトもわかったことだし、帰る?」
 推理はそんな様子を横目で見ながら、帰る方向を指さした。
「そうだな」
 智はそう返事をすると、帰る方向へと歩き出した。
推理も智の横に並び、歩いた。
しばらく二人は無言のままだったが、突然、智が立ち止まり、推理の方を向いた。
「……あのさ」
「何?」
 推理も立ち止まり、智の方を向いた。
「なんで、俺たちに協力してくれるの?最初から疑問に思ってたけど、何かあるんでしょ?」
 智はまっすぐに推理を見ながら言った。
「……分かってたの?」
 推理は智から目線をそらした。
「まぁな」
 智も言いにくそうに答えた。
「……そうだよ。あたしたちはある事件を追っていく上で、川口くんたちに協力させてもらってる」
 推理は智に視線を戻し、まっすぐに見つめて答えた。
「やっぱりそうか。一樹のおばあさんも関係してるんだろ?」
 智は小さくため息をついた。
「よくわかったね。その通りだよ。……このことを知ったんなら、あたしたちに協力してくれる?川口くん、田村くんの幼馴染なんでしょ?なら、詳しく知っているよね?」
「……まぁ。他の奴らよりかは知っているとは思うけど」
 智は曖昧に答えた。
「なら、少しでもいいから教えて。なかなか情報が集まらなくて苦戦しているの。……このままだと、また犠牲者が出る」
「……犠牲者?あんたらは何の事件を追ってんだ?」
 智は推理をいぶかしむように尋ねた。
「……それは言えない」
 推理は下を向いて小さな声で言った。
「んじゃ、俺も言えない。何の事件を追ってんのか分んなきゃ、情報提供しても、俺にプラスになるようなことがない」
 智はそういうと歩き出した。
「……分かった。何の事件か教えるから、話を聞かせて」
 推理は観念したように言った。
「そうこなくっちゃ!」
 智は推理の返事を聞くと、嬉しそうに推理の方を向いた。
「……ただし、条件がある」
 しかし、推理は声を低くしてそう言った。
「……条件?」
 うれしそうだった智も、推理の言葉を聞いて、真面目な顔になった。
「うん。今から話すことは、誰にも言わないこと。もちろん、怪盗のメンバーにもね」
 推理は智を見つめた。
「わかった。俺、口は固い方だから、任せとけ」
 智がそういうと、推理は安心したように智のいる方へ歩いて行った。
「それじゃあ、今から話す事件をよく聞いて。あれは、田村くんの妹が誘拐される1週間前のこと……」
 推理はそういうと以下のような話を始めた。


―一樹の妹の誘拐事件の1週間前―

 探偵3人は英輔の家に来ていた。英輔は一人暮らしなので、探偵たちはよくここに集まるのだ。
最初にその依頼メールに気付いたのは英輔だった。
「あ、依頼が来てる」

≪高校生探偵様≫
はじめまして。田村と申します。
今回はある依頼をしたくて、メールさせていただきました。
その依頼とは、私の妻を殺した犯人を捕まえてほしいのです。
高校生に依頼するのも申し訳ないと思いましたが、あなたたちにしか信頼できる人がいないのです。
警察はもう時効が過ぎたと言って相手にしてくれませんし…。
さらに、最近、もしかしたら妻のような犠牲者がまた出るかもしれない可能性が出てきました。
だから、お願いします。
もし依頼を引き受けてくださるのなら、お返事をください。
お礼はもちろんします。
                           田村正和

「……何これ」
 英輔は、今までにない依頼を見て、驚いた。
「どんな依頼だったの?」
 英輔の反応を見て、推理が不思議そうに話しかけてきた。
「なんか、殺人犯を捕まえてほしいって」
「「殺人犯?!」」
 話を聞いていたのか、近くにいた和也も驚きの声をあげた。
「いやいや、俺ら高校生だし、無理じゃね?警察にお願いするしか……」
「警察は動いてくれないんだとさ。時効が過ぎているらしい」
 英輔が和也の言葉を遮った。
「まぁ、とりあえず、依頼メールを見てみようよ。ちょっと見せて?」
 推理はそういうと、英輔をどかし、メールを見た。
「……なるほどねぇ。これを読んだら、やるっきゃないでしょ」
「えぇ?!推理、本気か?!」
 和也は推理の反応にとても驚いている。
「まぁ……推理がやるって言うなら、やってもいいぜ」
 英輔はやってもいいようだ。
「いやいや……二人とも、どうかしちゃったか?!殺人犯を捕まえるなんて、俺らに無理だろ!」
 和也はやりたくないようだ。
「和也も、この依頼メールを見たら、絶対に引き受けるって言うから」
 推理はそういうと、和也にメールを見せた。
「……マジかよ……」
 和也はそういうと、黙り込んだ。
「ね?引き受けなきゃって思うでしょ?」
 推理は笑顔で和也に言った。
「……そうだな。犠牲者が出るかもしれないって言ったら、やるしかないだろ……」
 和也はそういうと、落胆したように、床に座り込んだ。
「んじゃ、引き受けるってことで、英輔、返事をよろしく!」
 推理はそういうと、いつも座っているソファーに戻り、推理小説を読み始めた。
「了解」
 返事をするが早いか、英輔はメールの返信を打ち始めた。
和也は、ため息をつきながら、お気に入りのマッサージチェアに戻った。
こうして、3人は依頼を受けることになったのだった。


「……それで、一樹の周りで起きた誘拐事件に協力したんだ」
 智は話が終わると、静かにそう言った。
「そうだよ。おかげで、真実がだんだん見えてきた」
 推理はまっすぐ前を見つめ、力強くそう言った。
「んで、俺に何を聞きたいの?」
「まず、田村くんのおばあさんについて」
「……あいつのおばあさんは、どこからか飛んできたナイフによって一突きで不審死を遂げた」
 智は言いにくそうに言った。
「どこからか飛んでいたナイフによって一突きか。それじゃ、田村くんを殺った(やった)犯人と同一犯と考えてもいいかな」
「……おそらくな。それと、一突きで殺すなんて、殺し屋としか考えられない」
 智は苦しそうに言った。
「なんで田村くんのおじいさんが殺人容疑に掛けられてるの?」
「それは……あの場にいたのはおじいさんだけだったから。他に窓も鍵がかかっていたし、ドアも閉まっていたから、おじいさんに殺人容疑がかけられたんだろうな」
「……密室か。その殺し屋はどうやって殺したんだろう」
「さぁ。それは俺にもわからない。でも、あの状況で殺す方法はないとは言い切れない」
「本当?!どうやって殺せるの?」
 推理は身を乗り出すようにして智に聞いた。
「おいおい、そんなに身を乗り出すなよ」
 智はそんな推理の様子に苦笑いを見せた。
「いいから、その方法を教えて!それが、事件解決につながるかもしれない!」
 推理の気迫に押されたのか、智は小さな声で話し始めた。
「えっと……まずはじめに、部屋に入って、物陰に隠れている。そして、おじいさんとかが来るのを待つ。そんでもって、得意のナイフ投げでおばあさんを殺す。逃げるときは、おじいさんが部屋から出るのを見届けた後。つまり、おじいさんが警察に通報する前だ」
「ちょっと待って。そんな単純なやり方で、人を殺せるの?あの家は金持ちだから、警備もしっかりしていたはず。部屋に入るどころか、家にも入れないよ」
 推理は少し残念そうに言った。
「俺の考えるに、殺人犯はおばあさんと知り合いだったんだよ。だから、おばあさんは部屋に入れた。しかし、そこへ運わるくおじいさんが入ってきた。そこで、おばあさんは殺人犯をどこかへ隠れさせた。きっと、誰かにばれてはまずい人だったんだろうな」
「なるほど。でも、なんでおばあさんは殺されたんだ?」
 推理は不思議そうに首をかしげた。
「俺だってそこまでは分からねぇよ」
 智はそういうと、頭をかいた。
そしてある交差点につくと、推理が立ち止った。
「あ。あたし、こっちだから。バイバイ。今日はありがとうね。もしかしたら、また電話するかも」
 推理はそういうと、交差点を右に曲がっていった。
「おう」
 智は返事を返すと、家に帰って行った。


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