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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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08/13/13:58  出会い

ここは、白川高校。
この学校には、有名な高校生探偵たちがいる。
しかし、それが誰なのかは、誰にも分からない。
つまり、謎に包まれた者達なのだ。


 その日も、いつも通りの日々が始まるはずだった。

「おはよ」
「おはよう」
 ある女子生徒たちは定番のあいさつを交わし、いつも通り何気ない会話を始めた。
「ねえ、昨日さ、またあの三人が泥棒を捕まえたんだって」
「マジで!?あの、有名な高校生探偵が!?」
 どうやら、話題は高校生探偵のようだ。
「うん。すごいよねぇ。噂ではイケメンらしいよ」
「そうなんだぁ。あ、でも、高校生の怪盗3人組もイケメンなんでしょ?」
「そうそう、一人はカワイイ女の子らしいよ。その女の子、うらやましいよね」
 今度は高校生怪盗の話題だ。女子高校生は話題がよく変わる。
「うんうん。っていうかさ、どこの高校に居るんだろうね?県内に居るんでしょ?」
「そうらしいね。どこだろう。……実は、ここに居たりして!」
 一人の女子生徒が目をきらきらさせて立ち上がった。
「なわけないでしょ。まぁ、イケメンはいるけどさぁ……」
 二人は目をハートにして、一斉に智と和也のほうを向いた。
「やっぱ、カッコいいよね~カズくん!」
「え~。カズくんもカッコいいけど、智くんのほうがいいよ?」
「まぁ、あのギャップはやばいけどさ…。ってか、智くんが寝てる!」
「超かわいい~!写真撮っちゃおうかな」
「ダメだよ、盗撮になっちゃう」
「それもそうだけど……。ああもう、智くんカッコかわいすぎ!」
 二人とも智と和也にメロメロである。

―ガラガラガラ―

 誰かが教室に入ってきた。
「あ、推理。おはよ」
「おはよう」
 教室に入ってきたのは、この物語の主人公、中山推理だ。
「推理は、どっち派!?」
 いきなり二人に聞かれ、推理はとまどっている。
「な、何が?」
「智くんかカズ君のどっちがカッコいいと思う?」
「……う~ん……そうだなぁ……。二人ともカッコいいと思うけど……」
「カッコいいと思うけど?」
 二人は期待の眼差しで推理を見ている。
「やっぱり、ホームズかな」
「……はぁ!?」
「ホ、ホームズぅ!?」
 予想外の答えに、二人はひっくりかえりそうになった。
「そう。シャーロック・ホームズ」
「あの、有名な昔の探偵?」
「うん。憧れだよね。特に、あのルパンとの戦い!!あれはすごいよ!!」
 推理は目を輝かせて、今にも語りだしそうだったので、それにブレーキをかけるように話を遮った。
「……はいはい。推理小説の話はいいから、あの二人のどっちかでいったら?」
 呆れながらも、女子たちはさらに聞いた。
どうしても答えが知りたいようだ。
「え~……どっちもタイプじゃない」

―がくっ―

 二人とも、またもや予想外の答えにひっくりかえりそうになった。
「……はぁ。推理に聞いた私たちがバカだった」
「何それ?!ひどい~」
「さ、現実逃避している推理なんか置いといて、席に着こうか」
「おい!!ほっとくな!!」
 推理の突っ込みも虚しく、二人とも大きなため息をつくと席についてしまった。
(もう!本当のことを言っただけなのに……)
一人になってしまった推理は、席に着くことにした。

―キーンコーンカーンコーン―

 チャイムがなると、推理のクラスの担任の先生が教室に入ってきた。
「はい、席につけ~。今日は、学校の都合により、自習だ。なんの科目でもいいから、しっかりと勉強しているように。学級委員、頼んだぞ」
 先生はそういうとさっさと教室を出て行ってしまった。
皆はぽかーんとしていて、何が起こったのか分からないようだった。
「……何で自習?」
 一人がこうつぶやくと、皆は口々に話しだした。
「まぁ、自習なんてラッキーじゃん」
「そうだね」
「何勉強する?」
「俺は数学かなぁ」
 皆がこう話している中、推理は一人考えていた。いや、一人ではない。
智も、考えていたのだ。考えてなさそうに見えるが、考えていたのだ。

 推理は、勉強をやる気にもなれず、屋上に行くことにした。

―ガタッ―

 推理が席を立つと、
「推理、どこに行くの?」
「サボる気かぁ~?」
 皆が口々に聞いてくる。
「勉強のやる気が出なくてね。だから、ちょっとサボってくる。ちくるなよ~」
 推理は笑いながら、携帯と財布を持った。
「はいはい。推理は、頭がいいから、先生にもいろいろ言われなくていいよね」
「まぁね♪」
「自覚してんのかよ。まぁいいや。いってらっしゃーい」
「いってきまーす」
 クラス全体が笑いに包まれ、そんないい空気の中、推理は教室から出て行った。


―屋上―

(学校の都合ねぇ……。そういえば田村くん、今日学校来てなかったな)
 田村くんとは、田村一樹のことで、推理と同じクラスの男子である。

―ガチャ―

 屋上のドアが開き、誰かが入ってきた。
(……誰か来た)
 推理は反射的に貯水タンクの裏に隠れた。
タンクの裏からそっと見てみると、それは、智だった。
(どうして川口くんがここに?)
「はあ……」
 智は、何かを考え込むように、ため息をつくとベンチに座った。
(川口くんのこんなに考える姿、初めてみるな)
「……一樹……」
(一樹!?今、川口くん、一樹って言ったよね!?っていう事は、やっぱり、田村くんが関係しているんだ)
 推理は、そっとタンクの裏から出て、智に話しかけた。
「ねぇ、川口くん」

―びくっ!!―

「あ、あぁ…。推理ちゃんか。驚かせないでよ」
 智は自分以外誰もいないと思っていたのか、声を掛けられて肩がビクッとした。
(さっきの姿とまるで違う)
 推理は、智がさっきの様子と違って、いつものふわふわした感じの姿になったことに違和感を抱いた。
「ってか、なんでここに居るの?」
 智はいつものような笑顔を見せて、推理に聞いた。
「んっとね、サボり」
 推理はそう答えると小さく笑った。
「あはは。サボりかぁ。実は、俺も」
 智も同じように小さく笑った。
しばらく沈黙が続く。その沈黙を破ったのは、推理だった。
「あのさ、学校の都合ってなんだろうね?」
「さぁ?俺らに関係ない事じゃない?」
 智は答えに詰まることなく答えた。
「ってか、今日、田村くん。休みだよね?かわいそうだね、せっかくの自習なのに」
 推理が「田村」という言葉を発すると、智は少し肩を震わせたが、
「そういえば一樹、今日、休みだったな。どうしたんだろ」
 平然を装って答えた。
「……何か知ってるんじゃないの?」
 と推理は少し声を低めに聞いた。
「なんで、俺がそんなこと知ってるんだよ。知ってるわけないだろ?」
 智はそういうと笑った。
「じゃあ、なんで、さっき『一樹…』ってつぶやいていたの?」
 推理はまたもや追いつめる。智は、返す言葉がないようで、黙ってしまった。
「……ねぇ、本当のことを教えて」
 推理は優しく言う。
(さっきの聞いていたのか。真実を話すか、話さないか。どうしようか)
 智がこう悩んでいるうちに、誰かが屋上に入ってきた。

―ガチャ―

「あれ?なんで、ここに中山がいるの?」
「あ……翔也!」
 智は仲間の翔也が来た事に安心したようで、ホッとしている様子だ。
「岡崎くんはどうでもいいから、質問に答えて。あなたは何を知っているの?」
「おいおい、どうでもいいってなんだよ!」
 翔也はすかさず突っ込みを入れたが、普通に無視された。
「だから、俺は何も知らないって」
 智は無視されて落ち込んでいる翔也を見て、笑いながら答えた。
そのとき、突然聞き覚えのある声がした。
「知ってるんじゃないんですか?部長」
「……え?」
 その声の主は、英輔だった。
「英輔!?」
 智も翔也も驚きを隠せないようだ。
「あんた……いつの間に入って来たの?」
「ついさっき。岡崎が入ってきた後、すぐに入ってきた。」
「ふぅん」
 英輔は推理の隣に来た。
「じゃあ聞くけど、俺が何か知っているっていう根拠でもあるの?」
 智が挑発するように尋ねる。
「あるよ」
 そう答えたのは英輔だった。
「だって、部長、あの有名な高校生怪盗に関係しているんでしょ?」
「あー!それはまだ、確実じゃないって!」
 推理はあわてて英輔の口をふさごうとしている。が、英輔の方がはるかに背が高いので、届かない。
「……」
 智は黙ったままだ。翔也も何とも言えない顔をしている。
「いや、実際に情報がつかめたんだ。部長が高校生怪盗の関係者だっていう情報をね」
「そうなんだ!あ、でも、まだ関係者としかつかめてないから、そこに属しているかはわかんないってことだよね?」
「まぁな」
 翔也はそれを聞いて、少し顔が引きつっている。
「あ、安心してね。岡崎くんが高校生怪盗の一員っていう事は分かってるから」
 翔也は驚きで口がポカーンとあいている。
その表情を見て、推理と英輔はつい吹き出してしまった。
「ちょ、ちょ、笑うなよ!」
 翔也は恥ずかしそうに顔を赤らめた。
しかし、そんな和やかな空気も、智の一言によって壊された。
「……へぇ。さすが、情報は早いんだね。高校生探偵っていうのは」
 今度は、英輔が驚いた顔をしている。
「……やっぱ、あんたたちもすごいね。どうせ、英輔が探偵だって言うのはもう確実なんでしょ?」
 推理は冷静に言った。
「まぁね。推理ちゃんの事を調べても、なかなか情報が出てこなくてさ。証拠はまだつかめてないんだけど」
「あやしいと思っていたわけね」
「そういうこと」
 二人の会話についていけていないようで、残りの二人は、困ったような焦ったような顔をしていた。

これが、推理と智の出会い……

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