ネコの図書館
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
11/07/21:02 謎の目的「ふむふむ……。それで、そのネックレスを探せばいいのね?」 結局有香は推理にも話を聞いてもらった。 依頼は小さなリングの付いたネックレス。 大切な人からの贈り物で、絶対に見つけて欲しいそうだ。 「どこらへんで落としたの?」 智が部長らしく質問する。 有香は少し考えてから答えた。 「えっと……多分、教室から放送室までの間だと思います。部活のときに見当たらなかったから……」 「じゃあ、とりあえずそこに行こうか」 智がそう言うと、探偵部側の二人は立ち上がったが、有香は座り込んだままだ。 「どうしたの?」 推理が不思議そうに尋ねる。 「あ、いえっ。何でもないですっ。行きましょう!」 有香は何か考え事をしていたようで、推理に声をかけられたことで我に返った。 慌てて立ちあがって、先頭に立って部屋を出て行く。 推理たちは不思議に思いながらも、そのあとを着いて行った。 ―廊下― 「おかしいなぁ……。この辺で落としたんだと思うんですけど……」 有香は悲しそうな表情で探している。 「あ、これじゃない?!」 健太が大きな声で叫んだ。 有香は一気に嬉しそうな顔になり、健太の方へと駆けて行った。 「あ、そうそう!これだよ!健ちゃん、ありがとうね」 有香は満面の笑みで健太に微笑む。 健太照れ臭そうに頭を掻いている。 どうやら、見つかったようだ。 「お、見つかった?じゃ、帰ろうか」 推理と智はその様子を見て、部室への帰路へと着き始めた。 それに気づいた健太が慌ててその後を追う。 そしてその後ろを有香がゆっくりと着いて行く。 その表情は、一見嬉しいように見えるが、怪しい笑みにも見える。 有香の目的はまだわからない。 PR
![]() |
|
|