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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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11/07/21:00  依頼者の狙い


―コンコン―

 その時、ドアをノックする音が聞こえた。
「あ、依頼者かな?」
 智はそう言うと、健太の耳元で囁いた。
「ドア、開けて迎えて来いよ」
「は、は、はい……」
 健太はいつになく緊張した顔つきで、ドアの方へとゆっくり歩いていき、ドアを開けた。

―ガチャ―

「あ、こんにちは。この度、依頼をさせて頂いた本居有香ですって……健ちゃんかぁ。なら、自己紹介する必要もなかったね」
 ドアの先には、可愛いというよりも綺麗という方が似合う女子生徒がいた。そう、一言でいえば美人だ。
彼女は健太を見ると安心したように、小さく微笑んだ。
「お、おう。じゃあ、こちらへどうぞ」
 健太はそう言うと、有香を部屋の奥へと案内した。
幼なじみだということもあってか、話を楽しそうにしている。
 智達のいる所まで来ると、健太は有香を智と向き合う所に置いてあるソファーに座らせた。
推理はいつの間にか、智の横に座っている。
「こんにちは。この度、依頼をさせていただいた本居有香です。本日は、よろしくお願いします」
 有香は丁寧にそうあいさつをすると、頭を下げた。
礼儀正しいようだ。
「僕は探偵部部長の川口です。こちらこそ、よろしくお願いします」
 智はそう言うと、同じように頭を下げた。
推理は頭を下げず、何かを探るように有香を見ていた。
「有香は紅茶でいいよな?」
 健太が有香に聞いた。
「うん。ありがとう」
 その返事を聞くと、山田は奥のキッチンへと姿を消した。
「で、さっそく依頼の話なんだけど……」
 智がそう依頼の話をしようとしたとき、誰かが話を遮った。
「ちょっと待って下さい」
 それは有香だった。
有香は辺りを見回すと、悲しそうな顔になった。
「今日も英輔先輩、いないんですね」
「ごめんね、あいつ、最近忙しいみたいで、部活に来ないんだよね」
 智は困ったように笑った。
「そうなんですか……」
 有香はあからさまテンションが落とした。
「そんなに、英輔のこと好きなの?」
 今まで一言も話さなかった推理が突然有香に話しかけた。
ちょうどその時、タイミング悪く健太が戻って来た。
「はい、どうぞ。先輩もどうぞ」
 健太は推理の発言に気づかなかったようで、紅茶とコーヒーを有香と智と自分の前に置き、自分は有香の隣に座った。
「ねぇ、答えて?」
 推理は微笑を浮かべながら、有香を試すように言った。
健太は何の話かと不思議そうな顔をしている。
智は何を考えているのか分からない表情をしている。
「え、っと……どうしてそんなことを聞かれるんですか?私、別に英輔先輩のこと好きなんて言っていませんけど……」
 有香は困ったように笑った。
「だって、英輔がいないってわかった途端、悲しい顔していたからさ。好きなんでしょ?」
 推理の問いかけに、有香は助けを求めるように健太の方を向き、小さな声で健太に何か囁いた。
健太はそれを聞くと、推理に向かって真剣な顔つきで言った。
「こいつが言いにくいっていうから、代わりに言わせていただきます。有香にとって、英輔先輩は憧れの存在らしいですよ。恋愛感情での好きじゃなくて、憧れの先輩として好きらしいです」
 推理は少し考えるそぶりを見せたが、それは一瞬で推理はすぐさま優しい笑顔を見せた。
「そっか。ならいいんだけど」
「でも、どうして突然そんなことを……?」
 健太は不思議そうな顔をして推理を見た。
推理は困ったような顔を見せると、「なんでもないよ」と小さく笑った。
「教えてください。英輔先輩のこと、好きになっちゃいけないんですか?」
 有香は納得できないようで、推理に尋ねた。
推理はその姿を見て、小さくため息をつくと静かに言葉を発した。
「……あのね、これ、誰にも言っちゃダメだよ?実は……

英輔には、彼女がいるの」
「「「……」」」
 推理の衝撃的な一言に、誰もが言葉を失った。

「「「えぇ~!?」」」

 しばらくしてから、推理を除く三人がはもった。
皆口が開いている。
「お、お、おい……そんなこと、俺知らねぇぞ?」
 智も動揺している。しかし、推理が智に怪しい笑みを見せると、智は察したようだ。
「それって……学校内ですか?」
 有香は半信半疑にそう推理に尋ねた。
「ううん。他校だよ。すごくカワイイ子でね、お似合いなの。いい子だしね」
 推理はそう優しく微笑んだ。有香は黙ってしまった。
健太は口がまだ理解できていなようで、口がパクパクしている。
「どこの子なの?」
 黙っていた智が推理に聞いた。
「えっとね……確か、神埼高校の子だよ。さすがに、名前は教えること出来ないけどね」
 それを聞いた有香は小さくニヤッと笑った。
それを推理は見逃さなかった。
「そうだったんですか……。英輔先輩のファンって、結構多いから、かわいそうですね」
 有香は悲しそうな顔をした。演技はなかなかうまいようだ。
「ま、そんなことどうでもいいか。じゃ、さっそく依頼の方の話を良いかな?」
 推理は笑顔になり、話を変えた。
知りたいことが分かったからだろうか。
「あ、はい。っていうか、先輩って探偵部でしたっけ?見たことないんですけど」
 有香は不思議そうな顔で推理を見た。
(この子……鋭いな)
「英輔の代理です」
 推理はそういうと、眩しいくらいの笑顔でほほ笑んだ。
「英輔先輩の代わり?そんなの、別にいらなくないですか?」
 有香はいぶかしむ顔をして推理を見た。
「出来れば、探偵部の方以外にこの話はしたくないのですが……」
 有香は目を閉じた。
「安心して。こいつはほとんど探偵部の一員みたいなものだから」
 智は有香に微笑みかけた。
健太もそれに同意するように大きくうなずいている。
「……部長さんと健ちゃんがそう言うなら、信じます。だけど、絶対に口はずしをしないでくださいね」
 再度念を入れるように、有香は推理に言った。
その時の目は、とても鋭かった。
「もちろん」
 推理は有香に怖いくらいの笑顔を見せたのだった。

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