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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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05/22/18:46  おとり作戦始動



 翌日、英輔は智ら高校生怪盗三人に過去を話した。
一人じゃ不安だったのだろう、英輔の過去を知っている推理と和也も同席した。
高校生怪盗は、同情しなかった。
英輔の受けた苦しみが分かるわけではないのに、分かるふりをしたくなかったのだろう。
その三人の優しさに、英輔は泣きそうになった。
「……話してくれて、ありがとう」
 智は優しく微笑んだ。
「いや、こちらこそ聞いてくれてありがとう」
 英輔が少し、すっきりした顔で言った。
「……人には知られたくない過去くらい、あるもんね。それで、あたしに彼女役をやって欲しいのは何で?」
「え!?彼女役!?」
 翔也は知らなかったようで、目を丸くしている。
「あれ、お前に言ってなかったっけ?推理がもうあの依頼者に『神崎高校に彼女がいる』って言っちゃったんだよ」
 智がさも当たり前かのように話す。
「ウソだろ……なんで推理じゃダメなんだよ?」
 翔也はなぜか不服そうだ。
「あたしは敵に顔を知られているから、さすがに怪しまれる」
 推理が少し困ったように笑った。
「っていうか、何で翔くんがそんなに不満そうなの?別に、翔くんが彼女役やるんじゃないんだからいいじゃん」
 香恋が可笑しそうに笑う。
翔也は少し顔を赤くして、
「べ、別にそうだけどさっ……」
「なんで顔赤くなってんの。まあ、香恋のことが心配なんだよな?」
 智が笑いながら翔也をフォローする。
「ふふっ。翔くんってば心配性なんだから。あたしは大丈夫だよ。一応高校生怪盗の一員ですから」
 香恋の笑顔を見て安心したのか、翔也は小さくため息をついた。
「分かったよ……。ただ、無理すんなよ?」
「うん。心配、ありがとう」
 二人は互いに微笑み合った。
そんな二人を周りは温かいまなざしで見ていたのであった。
「で、話を戻すけど、なんであたしに彼女役をやって欲しいの?」
 香恋が不思議そうに推理に尋ねる。
「それはね、彼女っていう存在は英輔をおびき出すのにぴったりの人材だからだよ。もし、あの子が英輔を狙うあいつらの仲間だったら、きっとあいつらは彼女という存在を誘拐して英輔を呼び出すと思うの」
「なるほど!英輔くんには弱みとなる存在がいるって思わせるのね」
 香恋は納得したように何度もうなずいている。
「え、っていうことは、香恋が誘拐されることがあるかもしれないってことじゃん!香恋が危険な目に遭うのなら、そんな作戦、やっぱり反対だ」
 翔也が顔を固くさせて言う。
香恋は大きくため息をつくと、翔也の背中を叩いた。
「痛っ!なにすんだよ」
「あのね、あたしを誰だと思っているの?今まで何度危険な目にあって、それを乗り越えてきたか……。今回だって、上手く乗り越えるわよ」
 香恋は自信満々な笑みを浮かべている。
翔也は眉を下げて、「香恋には敵わないな」とつぶやいた。
「大丈夫だよ。香恋ちゃんが誘拐されることの無いように、こっちも手を打つから」
 推理が笑顔で安心させるように言った。それに続いて、和也が得意げに話しだした。
「そうそう。俺ら三人で考えたんだけど、香恋ちゃんはどっかの大企業のお嬢様だっていう設定にしようと思っているんだ。そうすれば、香恋ちゃんに簡単に手を出せないだろう?」
「そっか……。香恋に手を出したら大事になるって思わせるんだな。それはいいアイディアだ」
 智が感心したようにうなずいている。
「でも、どうやって敵に香恋がお嬢様だって思わせるんだよ?」
 翔也が納得いかないとでも言いたげな表情で尋ねる。
「それは、多分あの依頼人の子がまた英輔の彼女についての情報収集に来ると思うから、そのときにさりげなく言う」
「それと、しばらくの間、登下校中に香恋ちゃんにはボディーガードをつけてもう」
「ええ!?あたしにボディーガード!?」
 香恋は推理に続く和也のとんでもない発言に驚きを隠せない。
「そうだよ。でも、急にボディーガードがつき始めたら香恋の友達とか先生に怪しまれるから、登下校時の途中でボディーガードについてもらおうと思うんだ」
「……ちなみに、そのボディーガードっていうのは誰?」
 不安そうに翔也が尋ねる。
「それは、翔也くんに変装してやってもらいたいんだけど、良いかな?」
「え、俺!?」
 推理の一言に翔は戸惑った。
「その方が香恋ちゃんも安心だろうし、翔也君も安心でしょ?」
「そうだけど……」
「あたしも、翔くんなら安心だな」
 香恋の笑顔に翔也は断れなかった。
「分かったよ。俺で良いならやるよ。変装はどうすればいい?」
「顔さえ隠せば、あとはボディーガードっぽくスーツで良いんじゃない?スーツなら、翔也の家で用意できるだろ」
 翔也の疑問に答えたのは智だった。
「そうだね。翔也君はあたしたちと同じ学校だから、顔は隠した方が良い。そうだな……メイクして顔を変えようか」
 推理は平然とした顔でとんでもないことを言う。
「顔を変える!?そこまでのメイク、出来るのかよ?」
「大丈夫。あたしの親戚に特殊メイクを仕事としている人がいるから、その人にお願いする。声でばれたらまずいから、極力しゃべらないようにね。しゃべる時はいつもより低い声を意識してほしい」
「さっすが推理。抜かりないな」
 智は満足そうに笑っているが、翔也の顔は少し青白く見える。
「特殊メイク……」
「大丈夫、そんな化け物みたいな顔にするわけじゃないんだから」
 そう笑う推理に少し恐怖を覚えた翔也であった。


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