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ネコの図書館

…「復讐という名の愛」修正中のため非公開です。名前を「ayu」から「LeoN」に変更しました。…
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04/06/15:10  

美しい女が、窓から部屋に入ってきた。
その部屋の窓の鍵は、あらかじめ、その部屋の持ち主が開けておいてくれてあった。

「ふふ、察しの良い人ね」

 女は妖美に笑うと、中央に飾られている絵を見る。
そこには今までに見たことのないくらい美しい絵があった。

「すごいわ……。これが、彼から見えている私なのね」

 女がそう呟くと、ドアの外から大きな声が聞こえてきた。

「おい、今女の声がしたぞ!」

 その声の正体は男のようで、ドアの外ではその男がドアを叩き始めた。

「おい、早くドアをあけろ!そこにいるのは分かっているんだぞ!」

 その音を聞きながら、女は笑みを浮かべた。

「警察の方が外にいらっしゃると知って出ていく馬鹿がどこにおりますの?」

 男は返事が返ってきたことを知り、ドアを叩くのをやめた。
女はドアへと近づき、ドアにある小さな郵便受けのようなものから外の様子を窺う。

「もう、お前に逃げ場はないんだ。おとなしく、出てこい!」

 男が大きな声で怒鳴る。女は思わず顔をゆがめ、外の様子を窺うのをやめた。

「……それにしても、芸術家って変な人が多いのかしら。玄関でもないのに、部屋のドアに郵便ポストみたいなのを作って。作品を作っている最中、集中しているところを邪魔されないように、このポストで外部からの連絡を得ているのかしらね」

 女はそう言うとドアの近くにボイスレコーダーを置き、再生ボタンを押した。
その動作を終えると、彼女は部屋の真ん中に置かれている美しい女の絵に再び目を向ける。
ドアの外から大きな声が聞こえる。

「警部!犯行予告まで残り30分しかありません!」

「くそっ、あと30分までに奴を捕まえなければ……!」

 男は再びドアを叩き、叫び始めた。
女はそれを無視し、絵に近づくとそれに手を添える。

「本当に美しい絵」

 女は優しい笑みを浮かべると、絵に口づけをした。
女は名残惜しそうにその絵を見つめると、それに背を向けて窓へ向かって歩き始める。

「さようなら」

 女はそう言うと、静かに窓から飛び降りた。


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