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ネコの図書館

…「復讐という名の愛」修正中のため非公開です。名前を「ayu」から「LeoN」に変更しました。…
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04/06/15:20  


 ちょうどそのころ、ウォルツ警部はアトリエの中から女の声がするのを聞いた。

「おい、今女の声がしたぞ!」

 ウォルツ警部はドアを開けようとドアノブをひねるが、鍵がかかっているようで開かない。

「くそっ、どうしてビ-ンズさんはドアに鍵をかけてっ……」

 鍵が開かないと判断したウォルツ警部は部下に鍵を開ける道具を用意するよう指示を出した。
その間も彼はドアを叩き、部屋の中にいる女怪盗に呼びかける。

「もうお前に逃げ場はないぞ。そこのアトリエから二階の物置小屋に繋がっているのは把握している。その物置小屋の前にも人員を配置しているからな。だから早くおとなしく出てこい!」

 警部はドアを叩きながら、さらに呼びかける。

「早くドアをあけろ!そこにいるのは分かっているんだぞ!」

「警察の方が外にいらっしゃると知って出ていく馬鹿がどこにおりますの?」

 部屋の中の女怪盗が返事をしたことにより、警部は1度ドアを叩くのをやめた。

「もう、お前に逃げ場はないんだ。おとなしく、出てこい!」

 しかし、その言葉に返事はない。警部は再びドアを叩き、女へ呼びかけ続ける。
すると、しばらくして女の声が再び聞こえ始めた。

「トーマス・ビルド様。ライト・ビーンズはあなたにとって、もったいないくらいの良い芸術家です。彼は何者にも縛られているべきではない」

 警部は反射的にドアを叩くのをやめる。
その場に駆けつけていたビルド氏も、思わずその声に耳を傾けた。

「あなたが彼に求めているものは、彼を傷つけ芸術家としての自由を奪います。だから、今宵は彼を頂戴いたしますわ」

 ちょうどその時、鍵を開ける道具が用意された。
警部は急いで鍵を開け、ドアを開く。
しかし、そこは既にもぬけの殻。
ライトの姿も、女怪盗の姿も見えず、残されていたのは美しい女の絵だけであった。

「これは……」

 警部は驚いて部屋の中を見渡す。
すると、ドアの付近にボイスレコーダーが落ちているのを見かけた。

「くそっ、先ほどの声はここから出ていたのか!おい、急いで玄関と物置小屋に行け!物置小屋も鍵がかかっているようなら、開けて突入するんだ!」

 ウォルツ警部の指示に、部下たちは慌てて動き始める。
警部はやられたとばかりに頭を押さえた。
ビルド氏も、どこか悲しそうな表情で部屋に唯一飾られている絵を見ていた。

「まさか……怪盗の狙いがライトくんだったなんて……」



 そうして、ビルド家から、優れた芸術家ライト・ビーンズは盗まれたのであった。
 その後二人がどうなったかは、誰も知らない。
だが恐らく、優れた芸術家は自由を手にし、女怪盗は今夜も欲しいものを得るために夜を舞っているのであろう。


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