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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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11/16/22:42  隠された過去



 数日後、佳奈美は知也に呼ばれて、知也の家へと来ていた。
しかし、今度は一人ではない。高広も一緒だ。
知也の家に行くといった佳奈美を心配して、ついてきたのだ。
「それで、私に何の用ですか?」
 佳奈美はいつもの調子で知也へと尋ねた。
「……そろそろ、君の過去が知りたいと思ってね。勝手ながら、君のことを調べさせてもらっていたんだが、なかなか出てこない。そこで、迷った末に本人に聞くことにしたんだ」
「私の過去ね……。私とArthurとの関係が知りたいの?」
「まあ、端的にいえばそうかな」
「……」
 佳奈美はしばらく黙ってしまった。
その様子を高広は心配そうに見ている。
「……いいよ。話してあげる。岡村さんにはいろいろと助けてもらったしね」
 佳奈美はまっすぐと知也を見ている。
「……大丈夫なのか?」
 高広は心配そうに尋ねる。
佳奈美は高広に微笑むと、小さくうなずいた。
「……ありがとう」
 知也がそう言うと、佳奈美は視線を遠くに飛ばして、話し始めた。
「あれは、15年前、私が三歳だったころでした。……」

15年前―

 優秀な科学者と有能な弁護士の間に生まれた佳奈美は、まだ三歳であった。
佳奈美が三つ上の兄と公園で遊んでいるとき、もちろんその場には母親もいたのだが、その出来事は起こった。
母親が転んでけがをしてしまった兄を水道まで連れて行っている間、すなわち佳奈美から目を離した瞬間、何者かによって佳奈美は誘拐された。
佳奈美は叫ぶ間もなく、口をふさがれ、眠らされて、Arthurへと連れていかれた。
 Arthurには佳奈美のように誘拐された子供たちがたくさんいた。
中には、孤児施設から連れてこられた子供もいた。子供たちは皆、番号を付けられた。
そして、番号で呼ばれる子供たちは教育を受けさせられた。
それは子供の柔らかい脳を使っての詰め込み教育だった。
子供たちに拒否権は与えられず、ただ与えられた勉強をこなしていった。
そしてしばらくすると、子供たちに差が出てきた。
優秀な子と、出来の悪い子。
佳奈美は優秀な分類に分けられた。
そこで、優秀な子と出来の悪い子で教育の内容が違ってきた。
優秀な子にはとても高レベルなものが与えられたのだ。
その中には孤児院から連れてこられた光浦綾乃もいて、二人は本当の名前で呼び合うほど仲良くなった。
 しかし、五年後、二人の間に亀裂が入る出来事が起こる。
佳奈美は優秀な子供の中でも優秀で、特別に監視付きで外へと出してもらえることになったのだ。
綾乃は佳奈美の実力を認めていたし、佳奈美が一瞬だけでも外の世界と出られることを喜んだ。
佳奈美は自分だけ外の世界へと出られることに罪悪感があったが、とても楽しみにしていた。
このときはまだ、Arthurから逃げ出すことは一ミリも考えていなかったのだ。
 しかし、佳奈美は櫻子と出会ってしまった。
櫻子は田村財閥の次女で、Arthurによって金銭目的で誘拐されそうになっていた。
その現場にたまたま佳奈美が居合わせたのだ。佳奈美は瞬時に彼女が自分と同じ自由がない世界へと連れていかれるのではないかと考え、彼女助けようと思った。
佳奈美の頭脳はArthurによる教育で、大人の想像を超える域に達していた。
そして、佳奈美は上手く監視人と誘拐犯を欺いて、櫻子を助けて逃げ出したのだ。
こうして、佳奈美はArthurから自由になった。




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