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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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12/03/18:43  取り調べ?!


 佳奈美は警察署へと連れてこられた。そして、取調室へと入れられた。しかも、部屋の中にはあの女刑事と佳奈美しかいない。
「…なんか取り調べを受けているみたい()
 佳奈美はのんきに笑っている。
「そんなこと、どうでもいいの。どうして、犯人が女だと分かった?
 女刑事は厳しく言った。その顔は般若のようで、美人なのにもったいない。
「そりゃあ、死体を見ればわかりますよ。おそらく、髪の毛を手でつかんだのでしょう。髪の毛にマニュキアが少しだけ付いていました。そして、腕には薄くですが、爪の痕が付いていました。その爪の痕は爪を長く伸ばした人物によるもの、すなわち、爪を伸ばすのは女。その二つの証拠から、女だと推測したまでです。あ、私、犯人じゃないですよ?頭のいい刑事さんなら分かりますよね?
「…犯人は自分が疑われるようなこと、しないものね。でも、わざとそう思わせるようにしているっていうことも考えられるわ」
 女刑事はさらに顔をゆがめて言った。
「嫌だなぁ。私を疑っているんですか?私が犯人なら、もっとばれないような完全犯罪にしますよ。まず、絶対死体が見つからないようにします。だって、死体が見つかったら警察が動いて、捕まる可能性が高くなりますもん」
 佳奈美は笑顔で言った。その笑顔はどこか影があり、少し恐ろしかった。
「…IQ200のあなたならそのくらい簡単よね」
 女刑事は睨むようにして佳奈美を見た。嫌みを言うくらい、佳奈美が気にいらないようだ。
「…どうしてそのことを?
 佳奈美は声を低くして言った。さっきまでの笑顔は消え、無表情になった。
「あなたのこと、少し調べさせてもらったの。でも、どうやらあなたは白のようね。残念ながら。あなたなら人を殺しかねないと思ったんだけど」
 女刑事はため息をついた。
「…これじゃあ、プライバシーも何もないですね。まぁ、私のすべてなんてあなたがどれだけ調べても分からないでしょうけど」
 佳奈美は再び余裕そうに笑った。
「…はぁ。もういいわ。帰って結構よ。このことは、外部に秘密でお願いします。もし離したら、裁判所に訴えますから」
 女刑事はきつく言った。
「おぉ、こわっ!!ってか、逆にこんなこと外部に話して何になるんですか?知っているかもしれないけど、私、自分に利益にならないことはやらない主義なんで♪」
 佳奈美は笑顔で言った。女刑事をバカにしているようだ。
そんな姿が余計に女刑事をいらっとさせたのか、女刑事は机をたたいた。
「人が一人死んでいるのよ?!どうしてそんなふうに笑っていられるの!?」
 そんな女刑事の姿を嘲笑うかのように、佳奈美は余裕そうに笑った。
「ふふふ。刑事さん、何か勘違いしていません?確かにここでは一人が死んだのかもしれない。でも、世の中は広い。今日死んでいるのはたった一人じゃないんですよ。何万人、何十万人、もしかしたら何百万人死んでいるかもしれない。その理由は飢餓・殺人・自殺・老衰・病気…色々あるでしょう。でも人が死んだことには変わりはない。…違いますか?」
 佳奈美は笑顔を崩さず、女刑事に言った。その表情は、少し悲しそうにも見えた。
「…何が言いたいの?
 女刑事は意味がわからないというように眉間にしわを寄せた。
「もし、人が一人死んでいるから笑ってはいけないのだったら、毎日私は笑えないってことでしょう?たった一人死んだからって、その人のためだけに笑わないなんて、不平等だと思いません?
 佳奈美は女刑事に詰め寄るように言った。
「…っ」
 女刑事ははっと気づいたような顔をすると、悔しそうにうつむいた。
「それじゃ、私は失礼します」
 佳奈美はそう言うと取調室から出て行った。

―バタン…―

 静かにドアの閉まる音だけが響いた。
女刑事はうつむいたまま、動かない。いや、動けないのだろうか。
「…っ」
 女刑事は何も言わず、涙を流し始めた。
声を殺して、静かに泣いている。
今日も人がたくさん亡くなっていることの悲しさをすべて流しているかのように……。
 


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