忍者ブログ

ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
NEW ENTRY
09 2017/101 2 4 5 6 8 9 10 11 12 13 1415 16 17 18 19 20 2122 23 24 25 26 27 2829 30 31 11

01/31/18:47  乗り込み


「よし、乗り込むぞ」
 知也は平然と言った。
明音は驚きで口がふさがらないようだ。
「ちょ、ちょっと……岡村さん、本気ですか?何の策もなしに、乗り込む気ですか?人質が殺されたらどうするんですか?
 明音は知也に質問攻めをした。
それも当然のはずだ。何の策も立てずに乗り込もうとするからだ。
「大丈夫だ」
 知也はそういうと、入口のドアをたたいた。
「あれぇ?今日はお店、休みですかぁ?」
 大きな声で、中まで聞こえるように言った知也を見て、周りは唖然としている。
(何を考えているだ、この人は……?)
 知也はそんな視線を気にせずに、ドアに向かって言い続けていた。

 そのころ、店の中では……
 Arthurはスピーカーから男に命令を下した。

『そうそう、F。どうやら、トイレに男が隠れているみたいだよ。見たところ、外部と連絡は取っていないみたいだから、連れ出してくれる?警察にでも言われちゃかなわないからね。』

「かしこまりました」
 男はArthurに言われた通り、トイレへと向かった。
そして、トイレには案の定、弱そうな貧弱な男がいた。
「ひ、ひぃっ……。助けてくださいぃ……」
 男はそんなに身長が高くなく、やせ細った容姿をしていて、メガネをかけていた。
いかにも、草食系男子である。
「来い」
 Fは男をつかみ、無理矢理トイレから出した。
トイレに隠れていた男は抵抗もなく、Fにされるがままとなっていた。
 そして、トイレから出ると刹那、

―ドンドン!― 

「あれぇ?今日はお店、休みですかぁ?」
 そう、知也のあの声が聞こえたのである。
男は驚き、Arthurに向かって叫ぶ。
「あ、Arthur!な、何者かがドアを叩いています!」
 しかし、Arthurは何か考えているのか、何も答えない。
FArthurに「緊急事態の時は独自の判断に任せる」と言われたことを思い出した。
Fは自分でよく考えた末、ドアをたたく者、すなわち知也を中に入れるためにドアの鍵を開けた。
その瞬間、知也は勢いよく店の中に飛び込み、Fを締め上げた。
後ろから他の警察が入ってくる気配はない。
知也の突然すぎる行動に、頭が回っていないのだ。
「警察だ。大人しくしろ」
 知也はそういうと、Fを睨んだ。
その場にいた人質は、皆驚きで口が開いている。
「どうして……ここに?」
 佳奈美は冷静に、そう知也に聞いた。
「詳しい話はあとだ。今はとりあえず、こいつを逮捕する」
 知也はそう言うと、時間を言い、Fを逮捕した。
Fは悔しそうな顔をしている。
「おい、Arthurはどこにいる?」
 知也はFに向かって言った。
その声は冷たく、いつもの知也からは考えられないほど低かった。
「……」
 Fは無言である。
「答えろ」
 追い打ちをかけるように、知也は更に声を低くして、Fに言った。
Fはそんな知也におびえたのか、震えた声で小さくこう言った。
「し、しらねぇよ……。Arthurの姿は、幹部の奴らしかしらないんだ。俺が知るわけねぇだろ……」
「でも、この店にArthurはいたよな?スピーカーを使って、お前に指示をしていたはずだ」
「た、確かにそうなんだけど、Arthurの姿は見えなかったんだよ……。どこかで隠れて話していたんだ」
 Fは悲しそうにうつむいた。
知也は後ろを振り向いて叫んだ。
「おい!この店をくまなく捜索しろ!この店の中にArthurがいるかもしれない!」
 後ろで見ていた警察官は、ハッと気づき、慌てて店の中へと入って人質を外へと解放し、店の中をくまなく捜索した。
「お前はこっちだ」
 知也は低い声でそう言うと、Fを外へと連れ出した。
Fはうつむいたまま、何も言わない。
Arthurに利用されたと気づいたのだろうか。
その姿はどこか悲しそうだった。


拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACKBACK

TRACKBACK-URL