忍者ブログ

ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
NEW ENTRY
09 2017/101 2 4 5 6 8 9 10 11 12 13 1415 16 17 18 19 20 2122 23 24 25 26 27 2829 30 31 11

12/06/17:45  ナンパ?!


 佳奈美が部屋を出ると、今朝の警部が声を掛けてきた。
「おぉ、今朝の美人ちゃん!悪いね、こんなところに来てもらっちゃって。お礼として、ご飯でもごちそうするよ」
「すいません、まだ大学の講義が残っているので」
 佳奈美は冷たくそう言い放つと、歩きはじめた。
「そうかたいこと言うなよ~。な?ちょっと話したいこともあるしさ。俺がおごるから」
 警部はしつこく佳奈美に話しかけた。あきらめの悪い警部のようだ。
そんな警部に何を言っても無駄だと思ったのか、佳奈美は仕方なさそうに言った。
「……分かりましたよ。絶対におごってくれますね?
「おう、男に二言はない!」
「じゃ、『Vraie obscurité』というお店に行きましょう。私、あそこの料理、すごく好きなんですよね」
 佳奈美はほほ笑んだ。その微笑みはどこかあやしかった。
しかし、警部はそんなこと全然気にしていないようだった。
V……Vra……?
「『Vraie obscurité』です。私が案内するので、行きましょう。確か……ここから近かったと思います」
「お、おうっ!」
 警部は先を行く佳奈美の後を慌てて追った。 


―『Vraie obscurité』―

「……なかなかいいところだなぁ……」
 警部は小さいがおしゃれでかわいらしい店を前に、感嘆の声をあげた。
「でしょ?お気に入りなんです」
 佳奈美は優しく笑った。
「あ、佳奈美ちゃん。いらっしゃい」
 二人の会話を遮るように、かわいらしいおばあさんが話に入って来た。
ここの店の主のように見える。
「森さん。こんにちは」
 佳奈美は優しく微笑んだ。
「こんにちは。久しぶりね。最近来ていなかったから心配していたのよ」
 話に入ってきたおばあさんは森さんというそうで、森さんも優しく微笑んだ。
「あ、そうだ。高ちゃんに会うかい?あの子ったら、最近佳奈美ちゃんが来ないからって、すごく心配していたんだよ」
「ばあちゃん!余計なこと言うなよ!!」
 どこからか、背の高い顔の整った青年がやって来た。恥ずかしいのか、顔を赤らめている。
「あらあら、高ちゃん。佳奈美ちゃんが来てくれたわよ」
 どうやら、そのイケメンこそ、高ちゃんと呼ばれる者のようだ。
「久しぶり、高広」
「……おう」
 高広と呼ばれる青年は照れ臭そうにほほ笑んだ。
「……あのぉ……俺のこと、忘れてない?
 言い出しにくそうに、警部が話に入って来た。
「あ、ごめんなさい。忘れていました」
 佳奈美は真顔で言ったので、さすがの警部も少しは傷ついたようだった。
「……ひでぇ……」
「……誰?」
 高広は警戒するように言った。
「警部さん。なんか、ご飯を御馳走してくれるっていうから」
「「警部さん?!」」
 森さんと高広がはもった。
「ど、ど、どうして警部さんが、か、佳奈美ちゃんと……?
「ほ、ほ、本当だよ……。ど、どうして……?
 二人とも驚きで声がうまく出せないようだ。
そんな様子を見て、佳奈美は可笑しそうに笑っている。
「いやぁ…ちょっと、お話が聞きたくてね」
 警部はイジワルっぽくにやっと笑った。
「は、は、話?!
「あ、あ、あの事件のことですよね?!あ、あ、あ、あれは、か、かな、佳奈美ちゃんが、が、わ、わ、悪いんじゃないんですよっ。あ、あ、あれは、あ、あ、あ、の、ひ、人が……」
 森さんはそう言うと倒れた。
「森さんっ!
 佳奈美は慌てて倒れた森さんを支えた。
「ば、ばあちゃんっ!
 慌てて高広も森さんに近寄る。
「あ、だ、大丈夫ですか?!
 警部もいきなり倒れ失神した森さんに驚きを隠せないようだ。
「ど、ど、どうしようっ……。って、てか、お前もお前だよっ!どうして警察なんかにのうのうと着いてきたんだよっ!
 高広は佳奈美に向かって怒った。
「……だって、あの事件についてじゃないんだもん。あたしがさ、ある事件現場に遭遇しちゃって、その事件についてちょっとアドバイスしてあげたら、話を聞きたいって言ってきたの。ただそれだけだよ」
 佳奈美は拗ねるように言った。
「え?じゃ、じゃあ、あの事じゃないの?
 高広は思っていたことと違うのか、とぼけたような顔をしている。
「うん。それなのに、二人とも勘違いして、森さんなんて倒れちゃうし」
「……な、なんだぁ。よかったぁ。ってか、もっと早く言えよ。
 そういいながらも、高広の顔には笑顔が戻っている。
(あのこと?)
 警部は不思議そうな顔をしている。
「あぁ、警部さん。気にしないでください。警部さんっていうと、やっぱり何かあたしが悪いことしたんじゃないかって思っちゃうんですよ。あまり、警察に慣れていない人達なんで」
 佳奈美はそう優しく微笑んだ。
「……ふぅん」
 警部は何か感づいているようだ。
「さ、警部さん。席に座って、ゆっくりお話でもしましょうよ」
 佳奈美はそう言うと、近くのテーブルへと座った。
「おぅ」
 警部も佳奈美と向き合って座った。
高広は森さんを奥の部屋へと連れて行き、服装を整え、佳奈美達のテーブルへとやって来た。
「ご注文がお決まりになりましたら、こちらのボタンを押してください」
 そういいながら高広は、慣れた手つきでフォークとナイフを置いていく。
「ここは、何のお店なんだ?
「ここは、フランス料理店です。とても美味しいんですよ?
 二人はそういいながらメニューを見ている。
「あたしはいつもので。警部さんはどうしますか?
「んじゃあ、俺も同じ奴でいいや」
「かしこまりました。お二人とも、当店オリジナルコースでよろしいですね?
「うん」
「コース?!
 警部は「コース」という言葉に驚きを隠せないようだ。
「フレンチレストランなんだから、あたりまえでしょ?
 佳奈美は妖笑を浮かべながら警部を見つめた。
「そ、そうか……
 警部は佳奈美の妖笑にやられてしまったようで、顔を赤くしてうつむいている。
「……では、少々お待ち下さい」
 高広はそんな様子を微笑ましく見ていた。
そして、高広は店の奥へと消えて行った。



拍手[1回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACKBACK

TRACKBACK-URL