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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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10/03/20:22  浮気調査



「で、まずは何をするんだよ?」
 優が面倒くさそうに愛に尋ねる。
「そうだねぇ……。まずは相沢啓介さんに話を聞きに行こうか」
「……相沢啓介さんって、どんな人か知っているのか?」
「知らない」
 愛は笑顔で優に答える。
優は大きくため息をつくと、スマホを取り出した。
「何をするの?」
「大和に連絡を取るんだよ。あいつなら交友関係も広いし、分かるんじゃないかと思って」
 乗り気でないと思われた優が案外乗り気だったので、愛は嬉しそうに笑った。
「優君、やる気あるんじゃん」
「……早くケーキが食べたいんだよ」
 優はそう言うと、大和に電話を掛けた。
大和は相沢啓介についてすぐ調べてくれたようで、少し待つと相沢啓介の写真と学部学科等の情報が送られてきた。
「はやっ!」
「あいつの情報網は広いからな……」
 二人はさっそく相沢啓介を探し始めた。
大和からの情報によると、相沢啓介は奈津子と奈津子の彼氏と同じ、経済学部に属しているらしい。
経済学部棟へ行ってしばらく探していると、ようやく相沢啓介を見つけた。
「あの人だ。よし、行こう」
 愛は優の返事も待たず、相沢啓介のもとへと駆け寄った。
それを見た優もため息をつきながら、その後を追う。
「あの、相沢啓介さんですよね?」
 突然の愛の襲撃に、相沢啓介は目を丸くした。
「そ、そうですけど……何か?」
「ちょっと、お話したいことがあって……少し、いいですか?」
 愛はまっすぐに啓介の目を見る。
愛の背は低いので、自然と上目遣いになり、啓介は少し顔を赤くして、思わず目をそらした。
「い、いいですけど……」
「やった!じゃあ、あそこのベンチで話しましょう!できれば、あまり人に聞かれたくない話なので……」
 愛は小さくガッツポーズをすると、人通りの少なそうなところにあるベンチへと啓介を連れて行った。
優も置いてかれないようにそれについていく。
 二人がベンチへ座ったのを確認すると、優は愛の隣へと座った。
啓介は二人きりだろうと思っていたので、驚いて優を見た。
「あ、この人は私の仲間なんで、気にしなくて大丈夫です。早速、お話を聞いてもいいですか?」
 愛は意味が分からないという表情をしている啓介を無視し、話を始める。
優は勘違いをしているであろう啓介に同情をしながら、暴走し始める愛を止めた。
「おい、ちょっと待て。まずは自己紹介からしろよ。いくら何でも、いきなり色々聞くのは怪しすぎるだろ」
 優は呆れたようにため息をつく。
「おっと、それもそうだね。自己紹介が遅れました、私、ミステリーサークルの長坂愛と言います。とある事件の捜査をしていて、その話を聞きにきました」
啓介は“ミステリーサークル”という言葉に反応した。
「もしかして、奈津子ちゃんがサークル長を務めているところ?」
「そうです!奈津子さんとお知り合いですか?」
「知り合いも何も、俺、あの子の彼氏と友達なんだ。この間初めて話したんだけど、何気あの子って美人だよね」
 愛は啓介のその一言に食いついた。
「奈津子さんと何を話したんですか?」
「この間の日曜日の話だよ。この間の日曜日、俺はあの子の彼氏、紘一っていうんだけど、紘一に相談にのってもらっていたんだ。だけど、奈津子ちゃん、紘一が浮気しているんじゃないかって疑っていたみたいで、本当に会って相談をしていたのか確かめに来たの。実際に俺と紘一は会っていたから、杞憂で終わったみたいだけどね」
 愛は少し考えるように口を閉じた。
代わりに、今まで黙っていた優が口を開いた。
「その日はずっと、紘一さんと一緒だったんですか?」
「いいや。あいつは彼女と会う約束をしているって言って、お昼を一緒に食べた後、帰っていったよ」
「なるほど……」
 愛は何か分かったようで、何度も頷いている。
「ねぇ、ところでさ、愛ちゃん、だっけ?君、俺に何の話があったの?」
 啓介が不思議そうな顔をして愛に尋ねる。
「えっと……もう大丈夫です。必要な話は聞けました。ありがとうございます。それじゃっ!」
 愛はそう言うと、立ち上がり、その場を後にした。
残されたのは、ハトが豆鉄砲を食らったような顔をしている啓介と、呆れたような顔をしている優だった。
「……じゃあ、俺もこれで」
 優はそう言うと、いまだに呆然としている啓介をその場に残して、愛の後を追った。

 愛は、ボックスに行く途中にある中庭で、電話をしていた。
どうやら相手は奈津子のようだ。
「奈津子さん、奈津子さんが彼氏と女の子が一緒に歩いているのを見たのは、何時ごろでしたか?」
『え?……確か、私が夕飯の食材を買っていたときだから……夕方くらいかしら?でも、どうしてそんなことを聞くの?』
「……もしかしたら、奈津子さんの彼氏のアリバイが崩せるかもしれません」
 愛は俯いて言った。
「そうだ、あともう一つ、奈津子さんの彼氏とその女の子を見かけた親友さんに、二人を見かけたのは何時ごろか聞いてほしいです。それが分かれば、多分、奈津子さんの彼氏のアリバイが完全に崩せます」
『……分かったわ。聞いてみる。分かったら連絡するわね』
「はい、お願いします」
 愛は電話を切ると、大きくため息をついた。
「奈津子さんという素敵な彼女を持ちながら浮気するなんて、許せない」
「まあ、浮気をするのは最低だよな。男の風上にも置けない」
 優は愛が座っているベンチの横へと腰かけた。
「奈津子さんに何を聞いていたの?」
「奈津子さんが彼氏さんの浮気現場を見たのはいつごろかって。もしかしたら、奈津子さんの彼氏、上手く時間を使ってアリバイを作っていたのかもしれない」
「午前中からお昼までは実際に友人の相談にのっていて、午後は浮気相手とデートをしていた可能性があるもんな。んで、何時ごろ見たんだって?」
「夕方だって。啓介さんの証言から、奈津子さんの彼氏のお昼過ぎからのアリバイはないね」
愛が再びため息をつくと、愛のスマホが鳴った。
「あ、もう連絡来た。……奈津子さんの親友が啓介さんと奈津子さんの彼氏がいるのを見かけたのは午前中だって」
「じゃあ、完全にアリバイは崩れたな」
 優はそう言うと立ち上がり、大きく伸びをした。
「さっさと奈津子さんに報告して早くケーキ食べに行こうぜ」
「……うん」
 愛は悲しそうな顔をすると、立ち上がり、ボックスへと歩き始めた。
優はその様子を見て、愛を励ますように肩をたたいた。
「まぁ、確かに奈津子さんの気持ちを考えると落ち込むよな。信じていた彼氏に裏切られて、可哀そうだ。でも、そんな最低な奴とはさっさと別れた方が奈津子さんのためになるんじゃない?奈津子さんにはもっといい男がお似合いだろ」
「……そうだね。今回のことで奈津子さんは傷つくだろうけど、白黒つけないままでいたら、もっとあの男に傷つけられるかもしれない。そう考えると、奈津子さんの彼氏が嘘つきだって証明できたのは良かったのかも」
 愛はそう言うと、力なく笑った。
「奈津子さん、大丈夫かなぁ」
「大丈夫だろ。あの人、そんなに弱くないから」
「それもそっか。奈津子さんだもんね」
 二人はそう話をしながら奈津子へと真実を伝えに行くのであった。

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