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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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06/09/15:18  足音


 勇気が自分の推理を皆に話そうとしたその時だった。

―コツコツ……―

 誰かが歩く音が聞こえてきた。
その場にいた誰もがその音に反応した。
「……誰か来たのか?」
 賢人は顔を緊張させて、勇気を見た。
「……そうみたいだな」
 勇気は冷静だった。
そして、いきなり車から出た。
「おいっ!勇気、待て!ここは様子見てから……」
 賢人はそんな勇気に向かって叫んでいる。
しかし、そんな声が聞こえないかのように、勇気はどこかへと歩いて行ってしまった。
「……っち。あのバカ!」
 賢人も勇気の後を着いて行こうとしたとき、誰かが賢人の腕をつかんだ。
「……島崎さん」
 賢人は驚いたように望実を見た。
「……あなた、自分でも言っていたでしょ?様子を見てから行った方が良いって。だから、もう少し様子を見ましょう。勇気さんがきっと様子を見てきてくれます。それに、もしかしたら殺人犯が来たのかもしれない」
「……だからこそ、余計にあいつを一人にはできません。何しでかすか分かんないし、あいつにまで何かあったら……。あいつに何かあったらと思うとじっとしていられません。あいつにはたくさん助けてもらったし。だから、俺は行きます」
 賢人はまっすぐに望実を見た。
「……分かりました。じゃあ、約束してください。無茶しないでくださいね」
 望実は少し悲しそうだったが、最後は少し微笑んで見せた。
「はい」
 賢人はそう笑うと、
「じゃあ、行ってきます。島崎さんたちは、絶対にここから出ないでくださいね」
 そう言い残し、車から出て勇気の後を追った。

 賢人は勇気が影から何かを見ているのを見つけ、そっと近づいて行った。
「……おい」

―ビクッ―

 勇気は賢人に声をかけられて、肩をビクッと震わせた。
「なんだ、賢人か……。って、お前、なんで車の中で待ってなかったんだよ!殺人犯かもしれないだろ⁉」
 勇気は賢人を見ると同時に、怒りだした。
「それはこっちのセリフだ。お前こそ、様子を見てから行こうって言ったって、言う事聞かずに出てっただろ?」
「……え?お前、そんなこと言ってた?」
「全く……。お前はいつもそうだよな。何か一つの事に集中すると、周りが見えなくなる」
 賢人は呆れたように笑う。
「……ごめん」
 勇気は返す言葉もないように、うつむいた。
「ま、そういうところもお前らしいけどな」
 賢人は笑うと、勇気の肩に手を置いた。
「んで、何か見つかったのか?」
 賢人はさっきとは打って変わって、真面目な顔で言った。
「……あれを見ろ」
 勇気は顎である方向を指した。
「え……ウソだろ……」
 賢人は勇気の指した方向を見た瞬間、言葉を失った。
「どうして……ここに……」
 賢人たちは悔しそうに、そしてどこか悲しそうに立ち尽くしていたのだった。





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