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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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06/08/16:16  賢人の推理


 全員が不思議そうな顔をしている中、賢人はうすら笑いを浮かべながら、説明を始めた。
「まず、警察にデマ情報を流しても信じてもらえるっていうことは、犯人は警察の近くにいる人間。もしくは警察内部の人間。だとすると、もしかしたら誠を犯人にしなければならない理由があったのかもしれません。そして、誠を結果的に殺して、勇気の姉ちゃん達を殺した犯人に仕立て上げようとしたんじゃないでしょうか?」
 賢人は言い終わると、ドヤ顔をした。
勇気はそれを聞き終わると、少し考えているようで、下を向いている。
他の二人は何が何だかわからないようでポカーンとしている。
「……賢人にしては、なかなかの推理だよ」
 突然勇気が顔をあげてそう言った。
「だろ⁉俺にしては、なかなかのものだろ」
 賢人はほめられたのが嬉しかったのか、さらにドヤ顔になっている。
「だけど、お前の推理は少しだけ間違っている。犯人は警察の近くにも、警察内部にもいない」
 勇気はニヤっと笑い、そう言った。
「は?それってどういう……」
 賢人は何か言おうとしたが、勇気の言葉によって遮られてた。
「だから、犯人は警察の近くの人間でもなければ、警察内部の人間でもないっていう事だ。警察は、まんまと犯人グループに利用されてんだよ」
「いやいや、そんなこと、いくらなんでも無理でしょう。どんなに頭が良い犯人だって、警察を利用するだなんて……」
 望実はあり得ないと首を横に振っている。
「それが、今の時代、できるんですよ。警察なんて単細胞の塊なんだ。ちょっと細工をすれば、簡単に騙される。それが現に、この事件を引き起こしたんです」
 望実は何も言い返す言葉がないようで、黙りこんでしまった。
変わりに口を開いたのは恵理奈だった。
「すべて分かったのなら、話して下さいよ。私たちだって、結末ぐらい知りたいです」
「……分かりました。すべてではないけど、今俺が推理して分かった事、お話しますね。まず、犯人はグループです」
「それは、大体感づいていたわ」
「そうだな。単独に見せかけてのグループっていう事もあり得るし……」
「でも、龍也さんのご両親は1人の犯行でしょう?だとしたら、グループだなんて言いきれませんよ」
 望実の一言を聞くと、勇気はニヤっと笑った。
「でも、この事件がすべてつながっていて、すべてが同一犯の犯行だったら?1人できるなんてとてもじゃないけど思えません。それに、斎藤さんの夢によると、龍也を殺すのに1人以上はいたようですし」
「……じゃあ、どうして、ご両親を殺すのは1人だったの……?」
 望実は頭を抱え込んだ。
「それはおそらく、犯人グループが殺し屋を雇って殺させたのでしょう。そして、単独犯の犯行だと龍也に思わせた。つまり、グループ犯行だと気付かせないために、1人で殺すようにしたんです」
「そっか……!もし犯人が追及されても、単独犯の犯行だと思わせれば、誰にだって罪をかぶせられる」
 望実はすっきりしたように顔を輝かせた。
「……最低ね。そんな奴等がいるだなんて、本当、この世も末。こんな世の中だから、簡単に人が殺されるのよ」
 恵理奈は苦しそうに、悲しそうに、そうつぶやくと、うつむいた。
そして、しばらくの沈黙が訪れる。
「……結局、あの事件と今回の事件はつながっているんだな」
 沈黙を破ったのは賢人だった。
「あぁ。もしかしたら、誠はあの事件について何か調べて、何か分かったから殺されるのかもしれない。だとしたら、俺のせいだ。俺のせいであいつを巻き込んだんだ……」
 勇気は苦しそうにそう言うと、頭を抱えた。
「お前のせいじゃないって。龍也くんだって、俺らの友達だぜ?友達が殺されて、真相を調べないなんて、あり得ないだろ。あいつが調べていたのは、お前のためだけじゃなくて、龍也くんのためでもあったんだよ。だから、あいつはお前にそんな風に自分を責めてほしくないって思ってる」
 賢人は優しくそう言った。
「……ありがとう」
 勇気もつられて、微笑んだ。
「それじゃ、さっきの続きを話しますか!勇気、よろしく!」
 賢人はわざと明るく笑顔でそう言った。
その笑顔で救われたのは勇気だけではあるまい。
皆の心が賢人の言葉に、笑顔によって救われたのだ。
賢人は人を助ける天才かもしれない、と勇気はそう思ったのであった。

四人が真実にたどり着くのは、もう少し先の事……。





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