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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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09/06/14:45  裏切り


 勇気達は、旅館へと戻ると、それぞれの部屋でそれぞれの時間を過ごしていた。
部屋割は、SUNSHINEの三人と恵理奈と望実の2組である。


―望実と恵理奈の部屋―

「……私、ちょっとロビーに行ってきますね」
 望実が突然、立ち上がってそう言った。
「うん……気をつけてね?なんだか、嫌な予感がするの」
 恵理奈は心配そうに望実を見つめた。
「ふふっ。本当、恵理奈さんは心配症ですね。大丈夫ですよ」
 望実はそう笑うと、部屋から出て行った。
恵理奈は、望実が出て行く姿を見届けると、不安そうにベッドへと寝ころんだ。
「……あの四人に関わる悪夢なら、今すぐに見てもいい。……それで防げるのならね」
 恵理奈はそうつぶやくと、していたネックレスを取って、眠りに落ちた。


―SUNSHINEの部屋―

―コンコン―
 誰かがノックをしている。
それに気付いた勇気は、警戒しつつ、
「どちらさまですか?」
 と聞いた。
「望実です。少し、みなさんにお話があって。もしよければ、ロビーでお話しましょう」
 相手は望実で、それに安心した勇気はドアを開けた。
「なんだ、島崎さんですか。どうしたんですか?急に」
「少し、皆さんと今後の事についてお話ししたくて。恵理奈さんはいませんから、ロビーでゆっくりと話しましょう?」
「え?なんで斎藤さんはいないんですか?」
 突然賢人が部屋の奥から出て、話に加わった。
「恵理奈さんをこれ以上この事件に巻き込みたくないんです。あの人は力になると言っていましたが、悪夢を結構見続けているので、結構疲れていると思うんです。森田さんの捜索をしているときも、もし森田さんに何かあったら大変だからと、常にネックレスを外して能力を使っていましたから」
 望実は少し悲しそうに言った。
「……そうですか。分かりました。それじゃ、ロビーに行きますか」
「お願いします」
 三人は特に望実の急な行動を怪しむことなく、共にロビーへと向かった。


―ロビー―

 四人はロビーへと着くと、驚くべき光景を目にした。
「……な、なんでお前らがここに……」
 それは、以前のホテルで出会った男たちだった。
「お前らの行動は筒抜けなんだよ」
 男はそう言うと怪しく笑った。
「もう逃げられねぇぞ。」
 男の後ろから、たくさんの男たちが出てきた。その手には拳銃が握られている。
「……ここじゃあ、他のお客さんに迷惑なんで、外に行きましょう」
 勇気は冷静に男たちに言った。
「それなら不要ですよ」
 そう言ったのは驚くべき人物だった。
「……し、島崎さん……⁉」
 そう、望実だった。
望実はそう言うと静かに男たちの方へと歩いて行った。
「ここ、私の知り合いの旅館なんです。私がお願いしたら、了解してくれましたよ」
 望実は勇気達の方へと向き直ると、微笑んだ。
「え、え?し、島崎さん⁉そっちの方へ行きと危険ですよ!早くこちらへ……」
「……石川さん、まだ気付かないんですか?私はあなたたちの敵なんです」
 望実はそう言うと、勇気達を見た。
その瞳はどこか悲しそうだった。
SUNSHINEの三人は皆、放心状態だ。
「どうして……」
「どうして?そんなの決まってるじゃないですか。……あなたたちは知りすぎたからよ」
 望実はそう言うと拳銃を取り出し、勇気達に向けた。

―ビクッ―

 三人とも、その様子を見て固まった。
いや、三人ではない。勇気を除いた二人だ。
勇気は静かに望実に聞いた。
「……龍也を殺したのも、島崎さんなんですか?」
「……さあ」
 望実は悲しそうに笑った。
「嘘でしょ?島崎さんにそんなこと出来るわけない!だって、島崎さんはあんなに優しくて、俺たちに協力してくれたじゃないですか!」
 賢人が泣きそうな顔で望実を見る。
「……それは」
「指示したのはあなたなんですか?」
 望実が賢人に答えようとしたのを遮るように、勇気は声を低くして聞いた。
「勇気!お前、本当に島崎さんがやったと思ってんのかよ⁉」
 賢人が勇気の胸倉をつかむ。
それを誠が引き離す。
「賢人、落ち着け。勇気は確認しているだけだろ。とりあえず、あの人はあっち側の人間なのは確かなんだから」
 誠が賢人を落ち着かせるように静かに言う。
「で、でもっ……」
「……びっくりしましたよ。まさか、畑山さんがあの少年の親友だったなんてね。偶然って怖いわ」
 望実が悲しそうにつぶやく。
「……やっぱりあなたが……」
 勇気の言葉を遮るようにして、望実が話を続けた。
「でもね、私はあなたの親友とあなたのお姉さんを殺していないわ。私が殺したのは……私が命令して殺させたのは……親友さんのお母さんよ」
 三人は驚きで目を丸くしている。
「それってどういう……」
 勇気が尋ねようとすると、男が声をかぶせてきた。
「この女はな、男を奪うために女を殺してくれって俺らに頼んできたんだよ」
「は?男を奪うために?」
 賢人がいぶかしむような顔で尋ねる。
「……私が言うわ」
 望実は悲しそうな顔をして、話を始めた。
「……私はね、あなたの親友さんのお父さんが好きだったの。出会いは、彼がまだ結婚する前の事。彼はすでに、後に結婚する女と付き合っていたけど、私は彼を好きになってしまったの。その気持ちが抑えきれなくてね、届かぬ思いだと分かっていたけれど、私は彼に告白した。結果はもちろん振られたわ。彼とは10歳も離れていたし。……諦めようとしたんだけど、彼が結婚して、彼の口から子供が出来たと聞いた。彼にとって私はただの友達だから、普通に相談とかされていたの。でも、それが私にとって辛かった。そして、もうそんな関係が嫌になって、私は彼の奥さんを殺そうと思ったの。もちろん、私に殺す勇気はないから、殺しを引き受けてくれるこの組織にお願いした」
「じゃあなんで、あいつのお父さんまで……」
「彼が予想よりかも早く帰ってきたの。だから、彼も殺し屋に殺された。……私、そのことを知って、後で後悔したわ。なんてことをしでかしたんだろうって。そして、私も死のうと考えた。でも……そのときにはすでに恵理奈さんのマネージャーで、恵理奈さんを残して死ねなかった」
 望実は悲しそうに目を伏せる。
「……捕まらないために、いろいろ調べていた龍也と姉ちゃんを殺したっていうわけか……」
 勇気が望実を見る目に、少し憎しみが込められた。
「……私じゃない。私は、あの女以外の殺しは依頼していない。きっと、組織の連中が捕まらないために、殺したのよ。……まあ、私が殺したも同然だろうけどね」
 望実は呆れたようにため息をつく。
「絵理奈さんが見たあの悪夢が、まさか私の犯した罪の口封じのためだったなんて、知った時はショックだったわ」
 勇気は睨む対象を男たちに変えた。
「おいおい、俺らを睨むなよ。俺らは頼まれた仕事をしたまでだぜ?依頼人が捕まらないようにするのも俺らの仕事だからなぁ」
 男たちは、にやにやと笑っている。
「……そういうわけなの。本当に、ごめんなさい。謝って許されるとは思っていないわ。……でも……でも、私が捕まったら、恵理奈さんが困るの。だから、だからっ……」
 そう望実が言い、引き金に指をかけた時だった。
「……島崎さん……どうして?」
 恵理奈の苦しそうな声がロビーに響き渡った。



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