ネコの図書館
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05/04/18:57 現場検証電車から降りると、勇気達はレンタカーを借りて目的地へと向かった。 意外と目的地は遠いもので、その途中、パーキングエリアへと寄ることにした。 そこでトイレ休憩と必要なものをそろえて、出発しようとしたとき、流れていたラジオから衝撃的な事実を知らされた。 『続いて、ニュース速報です。先日、麻薬の売買に関与していたと指名手配されていた「SUNSHINE」の森田誠さんから、某放送会社にファックスが届けられました。そのファックスは某コンビニエンスストアから送られてきたものとみて、警察はその店周辺を調査している模様です。また、そこには「僕は麻薬の売買はやっていません。ある者たちにはめられたのです。誰がはめたのかは言えませんが、僕はやっていません。それと、この件はメンバーには関係ありません。だから、メンバーにいろいろ聞いても意味がないです。」等の事が書かれていて、犯行を否認しているようです。なお、森田さんは今も逃走中で、指名手配されています。見つけたら、即通報してください』 「……え?」 それを聞いた4人は固まった。 「……あいつ……俺らに迷惑かけないように、こんなことを……」 勇気は悔しそうに唇をかみしめた。 「……行きましょう。なんだか、嫌な予感がします」 恵理奈がそう言った。 「そうですね。では、出発します」 望実は恵理奈の言葉に肯定を示し、車を走らせた。 一刻も早く現場へとつきたかったのか、望実はいつもよりスピードを上げていて、それに慣れていない勇気と賢人はしばらくの間、目を丸くしていたのだった。 京都のある狭い道路、すなわち誠が殺されるだろう場所に、勇気達は到着していた。 勇気達は車を端にとめて、道路を眺めていた。 「……ここで、誠が……」 勇気は少し緊張しているようだ。 「勇気、大丈夫だ。あいつはいつも俺らに迷惑かけないようにしてきてくれた。その恩返しを兼ねて、あいつが殺されないように早く真相を暴こうぜ」 そんな勇気に向かって声をかけたのは、賢人だった。 勇気は、こういうとき、いつも賢人に助けてもらっていた。 「……そうだよな。ありがとう」 「お礼言われるほどの事なんて、してねぇよ。んじゃ、まず……さ、斎藤さん!み、みた夢について、も、もう少し教えてもらっても、よ、よろしいでしょう、か、かか⁉」 賢人は勇気に話しかけるときは普通なのに、恵理奈に話しかけるときはとても緊張するようだ。 勇気はそんな様子を見ながら、苦笑いをしていたのだった。 「そうですね」 恵理奈はそんな誠と勇気の様子を見ながら、微笑んでいた。 そして、真面目な顔に戻り、 「では、私がみた夢の全貌を教えますね。まずはじめに……」 と、見た悪夢について話始めた。 その話とは、以下のようなものだった。 ―ある京都の道路― 賢人は女と会話しているようだ。 「……なんで、なんで、俺をはめた?約束だっただろ?あいつらに迷惑をかけることはしないって」 誠は女を睨みながら言った。 「別に、他の人たちには手を出してないわよ」 女は微笑みながら言った。 その微笑みは、どこか冷たく恐ろしかった。 「こんなことされると、あいつらに迷惑がかかるんだよ。そんなことも分からねぇのかよ」 誠はいつになくいらついていた。 「私は、他の人たちに手を出さない、としか言ってなかったはずよ?別に、迷惑をかけることはしないなんて言ってないわ。それに、あなたが私を狙ったのがいけなかったのよ?」 女はそんな誠をおもしろがっているようにも見えた。 「…っち」 誠は舌打ちをすると、壁へと寄りかかった。 「大体、なんで俺が麻薬の売人やってるっていう話になってんだよ。俺が運んでいたのは……」 誠の声がだんだん小さくなっていったその時、向かい側から男がやってきて、誠の隣を通り過ぎた。 その瞬間、誠は膝から崩れていった。 腹部から血がドバドバとあふれ出ている。 「……どうして……」 「あなたがいけないの。違う事件の事まで調べるから。クスクス……」 女はそんな誠の様子を見ながら、クスクス笑っている。 男は何度も何度も誠を刺し、闇の中へと去って行った。 女は誠を見て微笑んでから、男の後をついて行ったのだった。 「……と、いうわけ。殺し方は、畑山さんのお姉さんとお友達とほぼ同じでした。……だから、同じ犯人だと……」 恵理奈は辛そうに下を向いた。 「ということは、すべてはつながっているっていう事か。っていうか、斎藤さんたち、まきこんじゃってすみませんっ!この事件に関わるという事は、斎藤さんたちの身も危ないかも……」 「大丈夫です」 勇気の言葉を遮ったのは恵理奈だった。 「……私、前まで能力なんてなければいいのにって思っていました。でも、今は違います。能力があって良かったって思っているんです。それは、あなたたちの役に立てているから。今まで苦しまされていた能力が、人の役に立ててるんですよ。それがすごく嬉しくて……。だから、謝らないでください。私がやりたくて、この事件に関わっているんですから」 絵里奈は優しい笑顔をしている。 「そうですよ。私も、こんなに嬉しそうな恵理奈さん、久しぶりに見ました。能力の事を気にしてか、私以外の人と話すときはいつも距離を置いていた恵理奈さんが、自分から他の人と関わろうとするなんて、恵理奈さんの1人の友人として、とても嬉しいんです」 望実も、優しい笑顔でそう言った。 その言葉に、勇気は知らず知らずのうちに涙を流していた。 「……あ、あれっ?なんで泣いているんだろう……。グスッ……。あの事件があってから、あの事件以外の事で泣く事なんてなかったのに……」 「……」 賢人は何も言わず、下を向いている勇気の肩を優しくたたいた。 その優しさが身にしみて、勇気の涙はより一層流れたのだった。 しばらくの間、3人はそんな勇気の姿を優しく見守っていた。 「……すいません。もう大丈夫です」 勇気は泣きやむと、顔をあげた。 その顔は以前に増して、力強さが表れていた。 「……さぁ、畑山さんが泣きやんだところで、これからどうするんですか?ここからは畑山さんの出番ですよ!」 望実がそう言った。 「……そうですね。まず、俺が賢人の家で調べていた結果について話します。俺が調べていたのはあいつがどこの麻薬業者と関わっていたのか。でも、どこを調べてもあいつの情報は出てこなかった。つまり、あいつは麻薬業者と関わりなんてなかった」 「え?でも、森田さんって、麻薬の売買に関係があって、指名手配されているんじゃあ……」 「あいつはデマを流されて、ガセの証拠を警察に売られて、追われているんだと思います。それは麻薬業者とは全く関係のない奴ら……。おそらく、俺の姉ちゃんとかを殺した奴らでしょう」 勇気は悔しそうに言った。 「はめられたのね……。え?でも、そのガセの情報に警察は踊らされているの⁉」 恵理奈は驚きの声をあげた。 「どういう情報かまではつかめなかったけど、おそらく、信じ込まされるようなものだったんだと思います。警察は自分たちの都合のいいものしか、情報として取り入れないから……」 勇気はそう言うと下を向いた。 「……待てよ。それって、もしかして……あーっ!そういうことか、俺、分かっちゃった!」 いきなり賢人が大きな声で叫んだので、他の3人はとても驚いて、とび跳ねた。 「い、いきなり大きな声を出すなよ……」 「そ、そうですよ……。びっくりしたじゃないですか……」 「す、すいません。いや、俺、今ひらめいちゃったんですよ。この事件の一部が!」 賢人は嬉しそうに言った。 3人の頭の上には?マークがたくさん浮かんでいたのであった。 PR
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今日の読んでなかなかさまになってきたなと思います。あと少し細かいとこに気をくばれば基本は大丈夫だと思います。文体も文語体になっていいんじゃ思います。僕も書き始めたばかりなのでテクニックはまだまだですが、小説を書く上でのアドバイスをコメントしていこうと思います。また、コメントします。 |
Re:現場検証
コメント、ありがとうございますm(__)m
私はまだまだなので、もっとよい作品が書けるように頑張りたいと思います。
私はまだまだなので、もっとよい作品が書けるように頑張りたいと思います。

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