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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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06/29/18:43  凶悪グループ VS SUNSHINE


 勇気と賢人は誠が見える位置に移動して、影からその様子をうかがっていた。
賢人は勇気から何をするのか聞いたようで、どこか安心したような、しかしどこか不安そうな顔をしていた。
 誠のそばに、女が来た。
「……遅かったじゃん」
 誠は声を低くして声をかけた。
「ごめんなさい、いろいろ手間取っちゃって。それで、話って何?」
 女は優しく微笑んだ。しかし、その微笑みはどこか影があり、恐ろしかった。
「……なんで、なんで、俺をはめた?約束だっただろ?あいつらに迷惑をかけることはしないって」
 誠は女を睨んでいる。
「別に、他の人たちには迷惑をかけてないわよ」
 女は変わらず微笑んでいる。
「こんなことされると、あいつらに迷惑がかかるんだよ。そんなことも分かんねぇのかよ」
 誠はいつになくいらついていた。
「私は、他の人たちに手を出さない、としか言ってなかったはずよ?別に、迷惑をかけることはしないなんて言ってないわ。それに、あなたが私を狙ったのがいけなかったのよ?」
 女は誠の反応を楽しんでいるように、挑発した。
「…っち」
 誠は舌打ちをすると、壁へと寄りかかった。
「大体、なんで俺が麻薬の売人やってるっていう話になってんだよ。俺が運んでいたのは……」
 誠がそう言いかけたとき、勇気と賢人は飛び出した。
女と誠はとても驚いた顔をしている。
勇気はこちらに向かってくる男に蹴りをくらわした。
賢人は誠をつかみ車のある方向へと走り出した。しかし、その腕を女がつかむ。
とても女とは思えないほどの力だ。
「……待ちなさいよ。こんなことをして、ただで済むとも……」
 女がそう言いかけた時、賢人は女の腹を思いっきり蹴った。
「っぐっ……」
 女は苦しそうにしゃがみこんだ。
「……ごめんね。俺、女だからと言って、仲間を傷つける奴には容赦ないんだよね」
 賢人はそう静かに女を見下ろした。
「賢人っ!早く行けっ!俺もすぐ行く!」
 勇気は男と乱闘になったようで、賢人の方へと顔だけ向けて言った。
しかし、その瞬間、男はよそ見していた勇気の腹を思いっきり殴った。
「っう……」
 勇気はその反動でバランスを崩した。それをいい事に、男は勇気に向かってナイフを振り下ろす。

―ドカッ!!―

「っぎゃっ!」
 男は情けない声を出して吹き飛んだ。賢人が男を蹴ったのである。
「……はぁっはぁっ……ありがと」
 勇気は息を切らしながら、微笑んだ。
「早く逃げるぞ。こいつらの処理は警察に任せよう。こんなこともあろうかと思って、斎藤さんに警察に電話してもらうよう電話しておいたんだ」
 賢人はそう言うと誠の腕をつかんだまま走り出した。
勇気もそれに続く。誠は驚きを隠せないようで、呆然と賢人に連れられるがまま走っている。
 女と男は賢人の蹴りがあまりにも深く入ったようで、まだうずくまっている。
「……あの二人もかわいそうにな。賢人の蹴りをまともに受けるなんて」
 勇気は走りながら、苦笑した。
「まぁ、溝に入ったと思うから余計にな。一応、骨を折らないように加減したつもりだけど」
 賢人はそう笑った。
そう言っている間に、車へと着いた。

―ガチャッ―

「島崎さん、お願いしますっ!」
 三人はなだれ込むように車へと乗った。
「了解ですっ!」
 望実はそう言うと思いっきりアクセルを踏んだ。
 ものすごいスピードで、望実を除く四人は前の座席に頭をぶつけそうになった。
「……警察には話しておきました。あそこに、もうすぐ警察が行くはずです」
 恵理奈は静かにそう言った。
「はぁっはぁっ……あ、ありがとうございますっ」
 賢人は息切れをしながらお礼を言った。三人ともまだ息切れをしている。
「それにしても良かった……。三人とも無事に帰ってきてくれて」
 恵理奈は一息ついたように微笑んだ。
「ほんと、良かったですよ。もう、恵理奈さんなんか、ずーっと『大丈夫かな、大丈夫かな……』って心配していたんですから」
 そう言う望実も嬉しそうだ。
「ちょっと、余計なこと言わないでよっ!」
 恵理奈は照れているのか、少し顔を赤くしている。
「……」
 その様子を見ている賢人もなぜか照れている。
「なんでお前が照れてんだよ」
 勇気はその様子を見ながら笑っている。
「だ、だって……かわいすぎて……」
 賢人は顔を真っ赤にしている。
「ははは。どんだけ好きなんだよ」
 そう勇気は笑った。
しかし、そんな空気の中、1人だけ、黙り込んでいる者がいた。
誠だ。
「……誠、もう大丈夫だからな。お前の無実は、あいつらが捕まれば明らかになる」
 勇気は誠の肩をたたきながらそう言った。
誠はうつむいているので表情が見えない。
「……なんで……たんだよ」
「え?」
「なんで、助けたんだよっ!なんでっ……なんでっ、自分の身が危なくなるっていうのに俺を助けたんだよっ……」
 誠はそう泣きながら叫んだ。
「……それは、仲間だからだよ。それ以外に理由はない」
 勇気は力強く、かつ、優しく言った。
「それだけの理由じゃダメか?もう大切な仲間は失いたくないんだよ」
 勇気はそう言うとうつむいた。
「……っていうわけだから、誠。もう1人で抱え込むなよ?いつだって俺らがそばにいるから。俺らを少しは頼れって」
 賢人は笑顔でそう言った。
その笑顔を見たとたん、緊張がほぐれたのか誠は泣き崩れた。
「全く、誠は泣き虫だな」
 賢人はそういうと誠の肩を優しくたたいた。
すると、誠が帰ってきた事による安心からか、勇気まで泣き始めた。
「え⁉お前もかよ。全く、二人とも泣き虫なんだから」
 賢人は笑顔でそう言うと、勇気の肩も優しくたたいた。
二人はそんな賢人の優しさに触れたからか、余計に泣いている。
「まぁ、今日くらい、泣くことを許してやるよ」
 賢人はそう優しく微笑み、窓の外を見た。
二人は車に乗っている間、賢人の優しさに触れていたのであった。
絵理奈と望実は、そんな三人を微笑ましく見ていたのであった。



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