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ネコの図書館

…「アイドルの探偵⁉」修正完了しました!「復讐という名の愛」修正中のため非公開です…
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06/19/18:47  再会


 二人が見たものとは、帽子を深くかぶりどこか疲れたような男がこちらに向かってとぼとぼと歩いている景色だった。その男は二人に気付いていないようだ。
「……あれって、あいつだよな?」
「そうだな。あいつは……誠だ」
 二人は誠と思われる人物が自分たちの近くに来るのを待った。
そして、隣に来た時、男の腕をつかんだ。

―ビクッ―

 男は急に腕を掴まれたからか、一瞬肩を震わせ、二人を見た。
さらに、二人を見た瞬間、男は逃げようとした。
勇気は男を逃がしまいと腕を離さない。
「……っ……」
 男は観念したのか、抵抗をやめた。
「……誠……だよな?」
 勇気は声を振り絞るように言った。
「……そうだよ。久しぶりだな、勇気、賢人」
 誠は深くかぶっていた帽子をとり、二人に改めて向き直った。
「ほ、本当に……誠なのか?」
「賢人は疑り深いなぁ……。本当に、誠だよ」
 誠は苦笑いをしている。
「……無事でよかった……」
 賢人は安心したからなのか、全身の力が抜け、地面に膝をついた。
「……心配掛けて、悪かったな。それにしても、どうしてここへ?」
 誠は不思議そうに言った。
「ちょっと、いろいろあってな。お前、ここにいたら危険だから、帰るぞ。お前の無実は俺らが証明してやる。だから……」
「そういうわけにはいかねぇんだよ。俺にだって事情があるんだ。ここで、ある奴に会ってすべてを終わらせる」
 誠はうつむきながら言った。
「そいつに会うと、お前、殺されるぞっ⁉だから、一緒に帰ろ……」
 賢人はそう叫んだが、その言葉を誠はさえぎった。
「だから、無理だって!俺は殺されることを覚悟で会いに行く。それに……多分、あいつはそんなことしないと思うんだ。……まぁ、俺の勝手な推測だけどな」
 寂しそうに笑う誠はなんだか辛そうだった。
「……分かった。それじゃあ、俺ら、お前を待ってる。お前がそいつと話している間来るまで待っているから、終わったらすぐに来い」
 勇気はまっすぐに誠を見た。賢人は驚きで声が出ないようだ。
「……分かったよ。すべて終わったら、お前の所に行く。で、車は?」
「車は……」
 勇気は誠に車のある位置を教えている。賢人はそんな様子をあっけにとられながら見ていたが、ふと我に返ったようで、
「ちょ、ちょっと待てよ!お前、誠が危険な目に逢うってわかってて、言ってんのか⁉お前、それでも仲間かよっ!何かあってからじゃ遅いだろ⁉」
「……あとで言うから。じゃ、そういうことで、気をつけてな」
「お、おう」
 二人とも勇気の考えている事が分からないようで、戸惑っている。
しかし、そんなことに関わらず、勇気は賢人の腕をつかみ、車の方へと向かった。
賢人はそれに反抗しながらも、勇気に連れらて行った
「どういう事だよっ!説明しろ!」
「……車を移動させる。あいつらが来る前に」
「は?」
「いいから、走れっ!あいつらに俺らが見つかったら危険だ!」
 勇気はそういうと走り出した。もちろん、腕を掴まれている賢人も走る形となる。
賢人は何か言いたそうだったが、勇気の真剣な顔を見て、勇気を信じることに決めたようだ。
そして、車に着いた。

―ガチャ―

「島崎さんっ!急いで、この近くの脇道へ入ってください!そうだな……すぐにこの場所から逃げられるような脇道。あ、今頃ですが、島崎さん、この辺の地理について詳しいですか?」
 勇気は車の中に入ると同時に望実へと言った。
「え?え?ま、まぁ、詳しいと言えば詳しいですが、何があったんですか?」
「あとで説明します!今はとにかく、すぐに逃げられるような脇道に入ってください。なるべく、ここから近いところで」
「……島崎さん、私もよくわからないけれど、きっと大丈夫よ。畑山さんを信じましょう」
 恵理奈は望実をまっすぐに見つめた。
「……はぁ。分かりました。あとで絶対説明してくださいね?」
「はい!」

―ブゥーン……―

 望実は近くの脇道に入った。いつでも逃げられる体制をとって。
「ありがとうございます。俺と賢人で誠を助けてきます。ここに連れてくるので、連れてきたらすぐにこの場所から離れてください。出来れば、ナンバーを見られないように」
「分かりました。いつでも出られるように、準備しておきます。出るときは飛ばすので、気をつけてくださいね?」
 望実は少し不安そうだったが、笑って見せた。
それを見た後、勇気はほほ笑み、
「大丈夫、3人で生きて帰ってきます」
 そう言うと、勇気は賢人に外に出るようにいい、二人は車の外に出た。
賢人はまだ勇気が何をしようとしているのか、知らない。
だからなのか、その表情は少し緊張しているようだった。


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